2001 Fiscal Year Annual Research Report
高周波電磁界により駆動される円筒容器内流れの制御に関する研究
Project/Area Number |
13750138
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
末包 哲也 東京工業大学, 炭素循環素材研究センター, 助教授 (30262314)
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Keywords | 高周波電磁界 / 流体制御 / 不純物除去 / ローレンツ力 / 電磁泳道 / 表皮効果 / コイル / 流動計測 |
Research Abstract |
実験的研究に先立ち,円管内を流動している介在物を含んだ導電性流体に対して,外部に設置したコイルから高周波電磁界を印加することにより介在物に電磁泳動力を加え,連続的に除去する場合を想定し,数値シミュレーションを行うことにより,内部の流動特性と除去効率について調べ,以下の知見を得た.管内流れに高周波電磁界を印加すると,コイル位置を境にして2つの渦が形成され,介在物は上流側の渦の影響により壁面近くへと移流され,続いて壁面近くのローレンツ力の強い領域において電磁泳動力により壁面に到達する.コイル電流密度の増加に伴い,誘起される渦は大きくなり,また流速も大きくなる.除去効率はコイル電流密度と共に増加する.効率は介在物粒子の径の2乗に比例する.ローレンツ力により誘起される渦の大きさは周波数に対して最大値が存在する.除去効率も周波数に対して最大値が存在するが,依存性はコイル幅に影響を受ける.周波数による効率の増加はコイルと導電性流体の電磁気的な結合の増加により,また,効率が最大となった後の効率の低下は,表皮効果によるローレンツ力の表面への集中による. これらの結果を基に,実験装置の構成を決定すると共に,電磁界を印可するための水冷コイルを数種類製作した.最も簡単な円筒容器を計測対象とし,液体金属(水銀)を封入する.光学的計測が困難である液体金属の流速を計測するためのプローブを製作した.次に,実際に円筒容器内に誘起される流動様式の計測を行った.周波数が高くなると流体中に効果的に電磁界が誘導されるようになるが,表皮効果と呼ばれる現象により,流体の表面に電磁界の集中が生じるようになる.コイル形状を適切に変化することにより,このような電磁界の集中を緩和し,流動に与える影響を明らかにするとともに,流体制御の可能性についての検討を行った.
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