2001 Fiscal Year Annual Research Report
格子ガスオートマトン法による固体高分子燃料電池内の流動解析
Project/Area Number |
13750147
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松隈 洋介 九州大学, 大学院・工学研究院, 助教授 (70282241)
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Keywords | 固体高分子形燃料電池 / 格子ガスオートマトン法 / 格子ガス法 / 流動 / 均一化 / セパレータ最適形状 |
Research Abstract |
本研究はメゾレベルから流れを解析する手法である格子ガスオートマトン法を用いて固体高分子形燃料電池(PEFC)内の流れを流体と固体を連成させて計算し,流れが均一になる最適流路形状を求め,その妥当性を実験により検証する.以上の解析と実験によりPEFC内の複雑流れをメゾレベルより解析する有効なツールを提案することを目的としている。この目標に向かい、平成13年度の研究から主に以下の2つの成果が得られた。 1)PEFC内流動解析を行う格子ガスオートマトンモデルの開発 格子ガスオートマトン法で擬似的に厚さ方向の壁面の影響を取り扱うことのできる新たなモデルを提案し、本モデルを用いてPEFC内の流れを計算した。提案したモデルの計算結果は差分解とよい一致を示し、PEFC内の流動計算に有効であることが分かった。また、実験からも、格子ガスオートマトン法の解析結果の妥当性を確認した。PEFC内の各チャンネルに分配される流量には3倍程度の偏りがあったが、入口・出口の形状を二次曲線とすることにより均一化が計れることが分かった。以上より、格子ガスオートマトン法がPEFCの設計計算に有効なツールであることを確認した。 2)PEFC内流動を均一にする流路の自動設計手法の開発 1)で開発したモデルをさらに改良し、PEFC内の流動を均一化する流路を自動設計する格子ガスオートマトン法を開発した。すなわち、PEFC内で燃料となる水素・酸素の流速の遅いよどんだ領域には固体壁を追加し,流量の多い流路では固体壁を削るという操作を行い、最適形状の流路を作成する流体・固体の連成モデルを開発した。その結果、自動設計前には、各チャンネル間の流量の偏りが3倍程度あったが、最適設計した流度では偏りが、1.1倍程度となり、本モデルがPEFC流路の自動設計に有効であることを確認した。 平成14年度は得られた最適形状の流路を作成し,実験装置に組み込んで発電を行うことで,PEFCの性能評価を行い結果の妥当性を検証する予定である。
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