2002 Fiscal Year Annual Research Report
超音速平板衝突噴流の騒音発生メカニズム解明のための可視化・可聴化システムの構築
Project/Area Number |
13750152
|
Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
榊原 洋子 東京電機大学, 理工学部, 講師 (80287432)
|
Keywords | 噴流 / 衝撃波 / 騒音 / 振動 / 可視化 / 可聴化 / 放射状噴流 / フィードバック |
Research Abstract |
本研究では,超音速平板衝突噴流の特性およびその騒音発生メカニズムの解明を目的とし,複数のパーソナルコンピュータを用いた流体の可視化・可聴化システムの構築を行っている.解析には,三次元オイラー方程式を基礎式とした風上型TVD法を用いた計算プログラムを作成し,計算結果の可視化・可聴化には市販のアプリケーションソフトMatlabを用いている. 解析対象の流れ場は,先細ノズルから超音速で噴出して下流に垂直に置かれた平板にぶつかる衝突噴流であるが,本研究ではそうした流れ場をさらに,衝突する'自由噴流'と衝突後壁面に沿って流れる'壁面噴流'との2つの部分に分けてそれぞれの噴流の特性を調べている点に特徴がある.特に,後者の壁面噴流については,更に壁面の影響を取り除き,大気中に放射状に噴出する'放射状噴流'のモデル化も行った. 現在までの研究実績として,まず自由噴流の流れ場については,ノズル出口下流から次々と発生する渦と共に噴流周囲を大気中へと伝播していく音波の存在,および噴流の螺旋運動などが計算により可視化,可聴化されている.また,衝突噴流に関しては,自由噴流と同様に噴流の周囲を移動する渦が平板と干渉し,それによって発生する音波が流れ場におけるじょう乱のフィードバック機構にしたがってノズル側へと伝播していく様子などを捉えることができた.放射状噴流においてもこのフィードバック機構が観察され,したがって衝突噴流における騒音発生機構を調べるには,壁面噴流から発生し主噴流と干渉する波の影響を考慮する必要があることが確認された.また,流れ場の非軸対称性は,比較的速度の小さい領域で現れやすく,噴流境界近傍の流れおよび平板上に発生するはくり泡と呼ばれる渦を構成する流れなどにおいて,発生するじょう乱が時間とともに円周方向に伝播していくことなども確認された.
|
Research Products
(5 results)
-
[Publications] 遠藤正樹: "曲率を有するスリットノズルより噴出する不足膨張噴流に関する研究"日本機械学会関東支部第9期総会講演会講演論文集. No.030-1. 329-330 (2003)
-
[Publications] 榊原洋子: "平板衝突噴流における壁面噴流の基礎的研究"数理科学会論文集. 3巻1号. 15-20 (2002)
-
[Publications] 榊原洋子: "放射状不足膨張噴流の構造に関する研究"日本機械学会関東支部ブロック合同講演会-2002 講演論文集. No.020-2. 75-76 (2002)
-
[Publications] 榊原洋子: "非定常超音速噴流の数値解析"数理科学会流体科学講演会講演論文集. No.21. 27-28 (2002)
-
[Publications] 遠藤正樹: "不足膨張噴流の構造に関する研究"数理科学会流体科学講演会講演論文集. No.21. 25-26 (2002)