2001 Fiscal Year Annual Research Report
鳥の肺内の流れとガス交換に関するバイオメカニクスとその工学応用
Project/Area Number |
13750161
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田中 学 千葉大学, 工学部, 助手 (20292667)
|
Keywords | 鳥の肺 / 呼吸 / 生物流体力学 / 振動流 / 分岐管 / 流量分配 |
Research Abstract |
本研究では鳥の肺内における流れとガス交換機序を明らかにするとともにその工学応用の可能性について検討することを目的とし,空力的バルビングといわれる流体力学的作用による一方向流れの発生メカニズムについて検討を行った.本年度は,鳥の呼吸器官をモデル化したT型分岐管を経て再び合流する分岐-合流モデルにおいて分岐上流に高周波振動流を与えた場合の流量分配比の測定を行い,振動流の周波数及び換気体積が一方向流れの発生に及ぼす影響を検討した.本研究で用いたT型分岐管は,3本の長さ1000mm,内径22mmのアクリル管よりなる.作動流体には水を用いた.分岐部後流の本管および支管はそれぞれベルマウスを介してリザーバに接続し,鳥類の肺気道は流体が循環しうる構造であることを考慮して2つのリザーバは液面が常に一致するように接続管で接続した.パンティングを模擬した高周波の往復振動流は,サーボモータ及びスコッチヨーク機構を有する振動流発生機によりベローズを介して分岐上流部で発生させた.分岐部後流の本管および支管においてレーザードップラ流速計による流速測定を行い,循環流路内の一方向流れ成分を算出した.また分岐部後流の本管と支管の差圧を,圧力トランスデューサを用いて測定した.その結果,振動流の無次元周波数と無次元一回換気量の増加に伴い,分岐部において支管から本管に向かう一方向流れ成分が発生することが確認できた.また,この一方向流れ成分の発生は分岐部支管入り口における流れの剥離と密接に関係していることが明らかになり,分岐部に剥離渦が形成されると本管と支管に圧力差が生じて,この圧力差が一方向流れ成分の駆動力になっていると考えられた.
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] 酒井 英司, 宮内 潤, 田中 学, 菱田 誠: "直角分岐管内振動流の流量分配特性に関する研究"第38回日本伝熱シンポジウム講演論文集. 1. 217-218 (2001)