2001 Fiscal Year Annual Research Report
プロトン伝導性高分子電解質膜中における水輸送に関する研究
Project/Area Number |
13750163
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大宮司 啓文 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 講師 (10302754)
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Keywords | 固体高分子形燃料電池 / 膜 / 電極接合体 / 三相界面 / 水分管理 / 熱・物質移動 |
Research Abstract |
本年度は以下の3つの課題に取り組んだ。1つ目は、固体高分子形燃料電池(単セル)を製作し、市販の膜/電極集合体(MEA)を購入し、様々な運転条件下における性能試験を行なった。電流-電圧特性曲線はMEAの性質ともに、ガス拡散層(集電体)、ガス流路(セパレータ)の性質にも大きく依存することを明らかにした。次に本研究の主題である高分子電解質膜中の水輸送、水分管理を考えるためには、その境界条件、すなわち、膜と電極の接合面の性質を明らかにする必要があると考えた。そこで2つ目の課題として、市販の電極(カーボンペーパー上に白金触媒層が形成されている)を購入し、電解質膜との接合方法について検討した。AFM等による表面の観察、および自ら接合したMEAの電流-電圧特性曲線の作成を行なった。3つ目として、市販の触媒(カーボン粒子の表面に白金をコーティングしたもの)を購入し、電極部分も自ら作成することを試みた。その後2つ目の課題と同様にMEAを作成し、電流-電圧特性曲線の作成を行なった。固体高分子形燃料電池の性能を評価するためには、運転条件ごとに熱・物質移動(燃料ガス、水(水蒸気)・電気)を考え、どのような条件のときに、どの部分が問題になるかを系統的に整理して考える必要がある。現時点では、まだ問題点が整理されていないが、特徴のあるMEAを自ら作成することができるようになった点が、本年度の最大の成果である。来年度は触媒層も含めた材料の特性と熱・物質移動の関係を明らかにしたいと考えている。
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