2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750199
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Akita Prefectural University |
Principal Investigator |
佐藤 俊之 秋田県立大学, システム科学技術学部, 講師 (40315635)
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Keywords | 適合原理 / 持続的入力 / 制御系設計 / 凸最適化 / 線形時不変系 / 不等式制約法 |
Research Abstract |
平成13年度におこなった研究により得られた成果を,研究実施計画に沿って以下に記載する: 1.「生起可能入力集合」の検討 これまでに提案されている生起可能入力集合を論文などにより調査した結果,入力の振幅と変化率の両方に独立な制限を与えた生起可能入力集合に対しては,ほとんど提案されていないことが判明した.唯一,入力信号のエネルギーと,入力信号の変化率のエネルギーに制限のある生起可能入力集合が提案されているのみである.これは,過渡的な入力を取り扱うには優れた入力集合であるが,サーボ系の目標値信号のような,持続的な入力を取り扱うことはできない.そこで本研究では,入力信号の振幅と変化率の上限値に制限のある(L∞ノルムがある値以下とする)生起可能入力集合を導入することにした. 2.凸最適化手法による時間応答計算手法の開発 振幅と変化率の上限値に制限のある生起可能入力集合に属する入力を線形時不変系に加えた場合,出力振幅がどこまで大きくなるかを求める問題は,無限次元凸最適化問題として定式化できる.ただし,この凸最適化問題を直接解くことはできないので,有限次元凸最適化問題として解くことになる.本研究では,出力を最大にする入力を,有限閉区間で連続な周期関数に限定できることを見出し,これを有限次数でうち切ったFourier級数展開で表すことにより,元の無限次元問題を有限次元問題に帰着させた.次に,この有限次元凸最適化問題が,次数を∞に漸近させたときに,元の無限次元問題の解となることを証明した.さらに,最適化問題の目的関数の劣勾配および制約関数の劣勾配を導き,最適化問題を数値的に解くための準備を整えた. 3.CACSDシステムの構築 2.で開発した計算手法に基づく時間応答計算プログラムを作成した.さらに,このプログラムと不等式制約法に基づくコンピュータ援用制御系設計CAD(CACSD)システムを開発した.これにより,振幅と変化率に制限のあるクラスに属する入力に対して,制御量が指定された範囲に抑える制御系を容易に設計することが可能になった.
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Research Products
(1 results)