2002 Fiscal Year Annual Research Report
位置制御アームによる挿入等「環境接触作業」のためのデクストラス・グリッパの製作
Project/Area Number |
13750208
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
相山 康道 筑波大学, 機能工学系, 講師 (60272374)
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Keywords | マニピュレーション / 環境接触作業 / 位置制御 / フリージョイント / 過大な内力 / グラスプレス・マニピュレーション |
Research Abstract |
本年度は,これまでに作成した二次元鉛直面内作業用2自由度フリージョイント機構を用いた様々な実験を行った.その結果,概ね実験は成功し,環境からの拘束の自由度と同等の自由度のフリージョイント機構を手首部に導入することにより,対象物は剛に把持し,かつ過大な内力の発生しない,環境接触作業が実現できることが確認された.しかし同時に,このような幾何学的条件だけではうまくいかない場合も確認された.たとえば,ならい作業中に対象物が床面から浮いてしまうように環境と対象物の接触が維持されない場合,摩擦が働くために幾何拘束方向でなく多少ずれた方向にも力学的拘束が発生してしまう場合,などが起きた.このような問題を解決するためには,これまでのような幾何学的な解析だけでなく,力学的な解析も合わせて行い,接触離脱条件,摩擦円錐条件を明らかにしなければならない. そこで本年度は,二次元円直面内に限定し,摩擦円錐の稜線を2本の力線ベクトルとして表現し,環境からの摩擦を含めた接触力,マニピュレータからフリージョイントを通して伝わる力(この力はフリージョイントによる幾何拘束の方向にのみ発生する),重力による力の釣り合い方程式を立てた.この力の釣り合い式を用い,無限大の内力が発生する危険性より,過大な内力の発生危険性の判定が可能となる.さらに,釣り合うような摩擦円錐内の力の有無を考慮することにより,位置制御マニピュレータにより安定に静止できるか,問題なく望みの運動方向へ対象物を移動させることが可能となるか,判断ができる.以上の判定法を基に,これまでのようなフリージョイント機構を含め様々な形態の機構や環境接触状態に対し,具体的な数値例により操作の可否の判定計算を行った.
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