2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750214
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | University of Fukui |
Principal Investigator |
久保田 直行 福井大学, 工学部, 助教授 (30298799)
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Keywords | 知能ロボット / ニューラルネットワーク / 行動適応 / 知覚-行為循環 / 知覚システム / 行為システム / 耐故障性 / ファジィコントローラ |
Research Abstract |
本年度においては,構造化知能に基づくロボットにおいて,生態心理学で議論されている知覚-行為循環の概念に基づく制御アルゴリズムの開発,自己意識に基づく知覚・行動次元の制御アルゴリズムを提案し,さらに,本提案手法の有効性を検討するために,冗長センサ系を有するロボットの設計・開発を行った.以下,箇条書きで具体的に示す. 1.反射行動に基づく意思決定モジュールとして,環境の知覚情報からアクチュエータへの出力に変換するファジィコントローラを開発し,コンピュータシミュレーション環境を構築した. 2.知覚-行為循環に基づく手法として,モジュラー型ニューラルネットワークを適用し,個々のニューラルネットワークの予測誤差に基づき,現在,直面している環境に適した行動をとるためのニューラルネットワークを選択し,さらにこの接続関係を学習するアルゴリズムを開発した.ここでは,様々な環境下で行動が知覚-行為循環を通して接続されることを検証し,環境の複雑さが,発現する行為の集合を決定し,また,使われうるニューラルネットワーク数が決定されることを示した. 3.知覚モジュールとしてセンサからの計測情報の取捨・選択を動的に行うセンサリネットワークを開発した.また,各センサの計測値から他のセンサ情報を推定するニューラルネットワークを用いて,推論誤差が少ないセンサの信頼度に基づき情報抽出を行うとともに,センサ情報を時空的文脈にしたがって,解釈するプロセスを担うことを検証した.さらに,センサの故障に対する耐故障性に関する議論を行い,提案手法の有効性を示した. 以上の結果から,今年度は,予測のずれや誤差に基づき,行為システムを制御する手法の有効性を示すとともに,この予測のずれが自己意識の機能的側面である選択的注意等の機能を活性化させる役割を果たす可能性を示した.
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