2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750219
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Research Institution | Tokyo Denki University |
Principal Investigator |
栗栖 正充 東京電機大学, 工学部, 助教授 (30287429)
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Keywords | 転がし操作 / 力作用点 / 動作計画 / 移動マニピュレータ / 双腕 |
Research Abstract |
本研究は、双腕のロボットアームを搭載した移動ロボットにより、塊状対象物を転がして移動させるための手法を構築することを目的としている。効率の良い転がし作業を実現するにあたっては、各ロボットアームを1本づつ交互に対象物に作用させることで、連続した転がし操作を行わせる方法が現実的との観点により、前年度では連続的な転がし操作における力作用点の選定アルゴリズムを導出した。このアルゴリズムにより、各ロボットアームが順次対象物に力を作用させるべき点(以下、力作用点)をあらかじめ求めておくことが出来る。ただし、対象物の形状を凸多角柱に限定し、力学的解析は対象物の断面である2次元平面内で行った。 本年度では、選定アルゴリズムより得られた力作用点の経路に沿って、各ロボットアームの手先を移動させるための移動マニピュレータの動作を計画する手法を構築した。この手法は、移動ロボットが対象物に接触しないための条件、手先の操作性、手先が発生する操作力の方向を評価する関数をそれぞれ設定し、それらの関数の線形和で与えられる評価関数ができるだけ良い値を取るように、各時刻における移動ロボットの位置とマニピュレータの関節角度を算出するというものである。本手法により、対象物を2本のロボットアームで連続的に転がすための移動マニピュレータの動作を計画することが可能となった。さらに本年度では、前年度で作成した実験用移動マニピュレータに改良を加え、垂直4自由度ロボットアームを2本搭載したクローラ型移動マニピュレータを作成した。これに計画した動作をオープンループで実現するアルゴリズムを実装し、転がし作業の検証実験を行った。この実験により、対象物のモデル化誤差もなく、床面と対象物との摩擦も大きい場合には、計画通りに数回転がし操作を実現できることが検証できた。
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