2002 Fiscal Year Annual Research Report
仮想交通環境を用いた自動車運転モデル構築に関する基礎的研究
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13750220
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
平岡 敏洋 京都大学, 情報学研究科, 助手 (30311749)
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Keywords | ドライバモデル / ドライビングシミュレータ / 経路選択 / コース追従 / 錯視 / ITS / ASV / AHS |
Research Abstract |
ドライバが行う運転行動には,経路選択,コース追従,加減速・右左折直進,障害物回避などがある.本研究の目的は各運転行動を階層的に表現するドライバモデルを構築することである.まず,ドライビングシミュレータの構築を進めると同時に,アンケート分析やプロトコル分析による経路選択行動分析や,従来の操舵モデルを用いて理論的に導出した制御則の有効性検討などを行った.シミュレータ完成後は,被験者実験を行うことによって,より詳細な考察を行った.二年間の研究において得られたことをまとめると下記のようになる. 1)経路選択に関する研究 未経験環境における経路選択行動に関して,ドライバは,旅行時間,わかりやすさ,快適さという代表的な三つの経路選択基準の中でもわかりやすさを重視して経路選択を行っていること,ドライバは地図から経路種類,経路の屈曲回数,駅の有無,経路距離という四つの属性を抽出していることが明らかになった. 2)コース追従(操舵)に関する研究 従来の操舵モデルの一つに,一定時間後の車両到達地点に相当する前方注視点と目標コースとの距離(コース誤差とよぶ)に比例して操舵するというモデルがある.同モデルと車両の運動方程式から導出されるコース誤差動特性の式に着目して撃心横加速度制御則を提案し,閉ループシミュレーションとドライビングシミュレータを用いた被験者実験により提案する制御則の有効性を示した. 3)加減速行動に関する研究 ドライバは加速感を知覚するときに減速行為が誘発されやすい.設置間隔が徐々に短くなるゲートを道路に沿って設置することで,等速で通過する車両のドライバに対して錯視による加速感を与える.ドライビングシミュレータを用いた被験者実験により,1)提案するゲート群を等速で走行するときに加速感を感じる,2)減速行為が誘発され速度抑制効果が示唆される,などの結果を得た.
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 入谷, 平岡, 岡部, 熊本: "モデル構築のための経路選択行動分析"第29回知能システムシンポジウム予稿集. 81-86 (2002)
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[Publications] T.Hiraoka, I.Iritani, K.Okabe, H.Kumamoto: "Route choice behavior model based on bounded rationality"Proceedings of 10^<th> International World Congress on ITS. (CD-ROM). (2002)
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[Publications] 平岡, 熊本, 西原: "前後輪撃心横加速度に基づく横すべり角の推定と前輪アクティブ操舵"自動車技術会学術講演会前刷集. No.91-02. 5-8 (2002)
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[Publications] 平岡, 熊本, 西原: "撃心横加速度に着目した前後輪アクティブ操舵則に関する基礎的考察"第1回ITSシンポジウム2002予稿集. 471-476 (2002)
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[Publications] 岩崎, 岡部, 平岡, 西原, 熊本: "錯視が与える測度抑制効果に関する基礎検討"第30回知能システムシンポジウム予稿集. 225-230 (2003)