2001 Fiscal Year Annual Research Report
機構透明性の概念に基づく制御のパラレルワイヤ駆動型力覚呈示装置への応用
Project/Area Number |
13750231
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Toyota Technological Institute |
Principal Investigator |
森園 哲也 豊田工業大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70309003)
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Keywords | パラレルワイヤ機構 / 力覚呈示装置 / 機構透明性 / 動特性補償 / 適応制御 / 張力制御 / 仮想現実感 |
Research Abstract |
これまでに,パラレルワイヤ機構を用いた力覚呈示装置はいくつか提案されている.しかし,このタイプの装置に仮想世界からの力覚情報を人間に正確に「透過」する性能,つまり「機構透明性」を与える制御手法については研究がなされていない.そのような制御則を提案し,また実験を通じて有効性を示すことが,本研究課題の目的である. 平成13年度は,2本のワイヤで駆動される1自由度の装置を想定し,基本となる制御則の検討を行った.装置全体の機構透明性を得るためには,それぞれのワイヤに与えられる目標張力をどのような運動状況下でも実現できることが制御則に求められる.このような制御は基本的に,駆動部分に対する動特性補償を正確に行うことによって可能となる.しかし,一般にこの補償を正確に行うこと自体が困難である.そこで本研究では,動特性補償に適応制御を組む込むという考え方により制御則を構成した.そして,駆動部分にこの制御則を適用した場合,ワイヤに与えた目標張力に対する誤差(張力誤差)の積分が時間の経過とともに漸次ゼロに収束することを理論的に示した.ただし,張力誤差そのものが減少してゆくことは理論的に保証できないため,この点に関しては実験により確認した. 実験装置を製作して実験を行った結果,張力誤差の積分は時間の経過とともに減少してゆく傾向が観察され,制御則は理論から期待された通りに動作していることが確認できた.しかし,張力誤差そのものが減少すると結論づけるに十分な結果は得られなかった.この原因の一つとして,実験装置の構造の一部が,制御則の誘導にあたって理論的に仮定した条件を満たしていないことが考えられる.この点について,シミュレーションを通じて考察を深めるとともに,仮定した条件を満足することのできるハードウェア構造を考案してゆくことが,次年度の課題として残った.
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Research Products
(1 results)