2002 Fiscal Year Annual Research Report
競争的電力市場における新しい周波数制御方策に関する研究
Project/Area Number |
13750246
|
Research Institution | Hiroshima Institute of Technology |
Principal Investigator |
久保川 淳司 広島工業大学, 工学部, 助教授 (90225194)
|
Keywords | 電力システム / 周波数制御 / 安定度 / 最適化 / 規制緩和 / 電力市場 / アンシラリーサービス |
Research Abstract |
経済的な電力供給のため,電力会社は制御能力は低いが高効率であるコンバインドガスタービンや石炭火力などの硬直電源を導入し,コスト高ではあるが応答性の良い小規模火力を廃止している。現状の方法で周波数調整能力を維持しようとすると,調達費用が必要以上に多くなり,独立系発電会社に対する系統使用料が上昇する。そのため,電気事業者/独立発電事業者/需要家の三者間で明確なコスト評価と公平な負担を実現し,安価な電力供給ができるシステムを構築が必要である。 電力系統では、常に需要と供給のバランスが保たれていればならず,そのバランスのずれは周波数変動として表れる。発電機離脱や系統故障などにより電力供給能力不足が生じると,周波数低下が起こり,周波数応答能力を通して十分な供給能力の補充が無ければ,系統全体の崩壊に繋がり,大規模な停電になる危険性がある。発電機の周波数応答能力は発電機の運転状態に応じて複雑に変化するため,発電機の出力と周波数能力のバランスのとれた配分が必要となる。そこで最初に,発電機の運転状態と周波数応答能力を表すモデルを作成し,系統全体を同時に考慮したシミュレーション手法の提案を行った。 次に,上記のシミュレーションモデルに基づき,周波数応答能力を考慮した発電機出力最適化問題の定式化を行った。この最適化問題においては微分方程式で表される動的システムを考慮する必要があるため,実規模問題で実用時間内に解を得ることが困難となる。そのため,効率的な解析手法を提案し,その有効性を確認した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] Y.Yuan, J.Kubokawa, H.Sakai: "A Study of Transient Stability Constrained Optimal Power Flow with Multi-Contingency"電気学会論文誌B. Vol.122-B. 798-804 (2002)
-
[Publications] Y.Yuan, J.Kubokawa, H.Sakai: "Dynamic Available Transfer Capability Evaluation by Interior Point Nonlinear Programming"電気学会論文誌B. (掲載決定). (2003)
-
[Publications] Y.Yuan, J.Kubokawa, H.Sasaki: "A Solution of Optimal Power Flow with Multi-Contingency Transient Stability Constraints"IEEE Transaction on Power Systems. (掲載決定). (2003)
-
[Publications] 横山隆一, 久保川淳司 (他12名): "電力自由化と技術開発(第4章担当)"東京電機大学出版局. 443 (2001)