2001 Fiscal Year Annual Research Report
ニューラルネットワークによる電動機の高効率運転に関する研究
Project/Area Number |
13750252
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
浦崎 直光 琉球大学, 工学部, 助手 (70305184)
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Keywords | 永久磁石同期電動機 / 高効率運転 / ニューラルネットワーク / 起電力係数 / 銅損 / 鉄損 |
Research Abstract |
1.研究目的 電動機の運転効率を向上するためには運転状態に応じた適切な励磁電流を供給する必要がある。最適励磁電流条件は電動機の数学モデルから導出することが可能であるが、本研究で対象としている埋込永久磁石同期電動機の最適励磁電流条件式は三乗根が含まれるため,リアルタイムでの演算が困難である。また,数学モデルに基づく高効率運転法においては、温度変化や磁気飽和による特性変動(パラメータ変動)が生じた場合、最大効率運転が達成されない。すなわち、埋込永久磁石電動機の高効率運転を達成するためには、(1)最適励磁電流式のリアルタイム演算、(2)特性変動に対する補償機構の構築が必要である。 2.研究内容 本研究では、上記2項目を解決するためにニューラルネットワークを用いた高効率運転システムを開発した。まず電動機の数学モデルに基づいて、各動作点における最大効率を得る最適励磁電流条件(特性)を導出した。次にその特性を模擬するニューラルネットワークを構築した。これにより、最適励磁電流のリアルタイム演算が可能となった。また、高効率運転のパラメータ変動に対する影響解析を行い、埋込永久磁石同期電動機においては起電力係数が大きく影響することを明らかにした。その結果に基づいて、ニューラルネットワークの構成を起電力係数変動を補償するように改良した。最後に、ニューラルネットワークを組み込んだ高効率運転システムを構築した。以上のように開発された高効率運転システムの有効性を確認するため、コンピユータシミュレーションを実行した。シミュレーション結果より、1)最適励磁電流式のリアルタイム演算および2)特性変動の補償が可能であることを確認した。また、起電力係数変動を補償することにより、低速または重負荷領域における高効率運転性能が改善できることを明らかにした。 3.研究成果・発表 次年度4月に国際会議において、本研究の成果を発表する予定である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 浦崎直光, 千住智信, 上里勝実: "起電力係数変動を補償したニューラルネットワークによる埋込永久磁石同期電動機の高効率運転法"平成13年電気学会電子・情報・システム部門大会講演論文集. Vol.II. 383-388 (2001)
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[Publications] Naomitsu Urasaki, Tomonobu Senjyu, Katsumi Uezato: "Neural network based high efficiency drive for interior permanent magnet synchronous motors compensating emf constant variation"Proceedings of Power Conversion Conference-Osaka 2002. (2002年4月発表予定).