2001 Fiscal Year Annual Research Report
新しい原理に基づくサブピコ秒光―光スイッチングデバイスの開発
Project/Area Number |
13750274
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
浅野 卓 京都大学, 工学研究科, 助手 (30332729)
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Keywords | 光-光スイッチング / サブピコ秒 / サブバンド間遷 / LOフォノン散乱 / テラビット毎秒 |
Research Abstract |
本研究は平成13年度からの2年間で、初期の目的が達成できるように計画されている。本年度は提案した原理に基づくスイッチングに適応できる量子井戸の設計・作製、デバイスヘの加工、制御光及び信号光波長の同定を行い、さらに光-光スイッチング測定系の立ち上げを行った。 (1)GaAs/AlGaAs材料形を用いて、緩和過程の複雑化を防ぐため障壁層のA1組成は直接遷移の領域を用い、超高速ポンプ・プローブ測定系による制限を考慮して、サブバンド間遷移波長が7μm以下になるような量子井戸を設計した。現有の分子線エピタキシャル成長(MBE)装置を用いてGaAs基板上に設計構造を作製し、その構造をX線回折測定により確認した。さらに、GaAs基板を選択的に除去し、信号光および制御光をデバイス表面から入射する形式のデバイスを作製した。 (2)制御光として用いるべき光の波長を同定するため、作製試料のサブバンド間吸収スペクトルを現有のFTIR装置よって測定した結果、そのピーク波長が7.2μmであることが分かった。また、信号光として用いるべき光の波長を同定するため、作製デバイスのバンド間吸収スペクトルを赤外光吸収法を用いて測定した結果、バンド端が約830nmであることがわかった。 (3)光-光スイッチング測定系の立ち上げとして、まず制御光として、現有のレーザシステムに改造を加え、測定されたサブバンド間波長である7.2μmの超短光パルスを生成できるように設定した。また、信号光としては、水フローセルを用いて白色光パルスを生成し、900nmから600nmとバンド間繊維を完全にカバーできる波長の光パルスを生成することに成功した。光パルスの時間幅は100fs程度であり、サブピコ秒レベルの時間分解能を確保することができた。 以上の成果はApplied Physics Letters等の論文誌において報告を行っている。来年度は、詳細な実験を行って、新方式による光-光スイッチングの特性を明らかにしてゆく予定。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] T.Asano, S.Yoshizawa, S.Noda: "Carrier relaxation dynamics in an ultrafast all-optical modulator using an intersubband transition"Applied Physics Letters. Vol.79 No.27. 4509-4511 (2001)
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[Publications] T.Asano, S.Noda, N.Iizuka, K.Kaneko, N.Suzuki, O.Wada: "Ultrafast all optical modulation based on intersubband transition in semiconductor quantum wells (invited)"Optical and Quantum Electronics. Vol.33. 963-973 (2001)
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[Publications] T.Asano, S.Yoshizawa, S.Noda: "Direct observation of intersubband relaxation dynamics and application to sup-picosecond all-optical modulation"Proceedings of 2001 International Conference on Indium Phosphide and Related Materials. 513-514 (2001)
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[Publications] T.Asano, S.Yoshizawa, S.Noda: "Monte-Carlo analysis of intersubband carrier relaxation dynamics"Abstracts of the 8th International Workshop on Femtosecond Technology. 138-138 (2001)
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[Publications] T.Asano, S.Yoshizawa, S.Noda: "Investigation of intersubband relaxation dynamics by pump-probe spectroscopy and application to ultrafast all-optical modulation scheme"Abstracts of 10th International Conference on Modulated Semiconductor Structures. 121-121 (2001)