2001 Fiscal Year Annual Research Report
金属・セラミック界面に放電抑止用薄膜を蒸着した高周波窓の放電耐圧向上に関する研究
Project/Area Number |
13750292
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The High Energy Accelerator Research Organization |
Principal Investigator |
道園 真一郎 高エネルギー加速器研究機構, 加速器研究施設, 助手 (80249903)
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Keywords | 誘電損失 / 紫外線 / 重水素ランプ / マルチパクタ / ルミネセンス |
Research Abstract |
アルミナセラミックの端部に選択的に厚くTiNコーティングした場合の高周波損失を測定した。空洞共振器法を用いネットワークアナライザーを使った低電力で行った。通常のコーティングを行った場合、誘電損失(εtanδ)は7〜10e-4(セラミック単体は4e-4)であるが、セラミックの端部を厚く(中心の約2倍、3nm程度)した場合の誘電損失も7〜10e-4であった。誘電損失に影響を与えるのは中心部の円形TE11モードの電界が高い部分(中心部)であり、端部の損失は小さいことが確かめられた。 紫外線源として重水素ランプを購入し、大電力通過試験を行うレゾナントリングに組み込んだ。また、大電力通過試験を行うための、特殊導波管の設計、製作を行った。高周波窓の上端部に重水素ランプを照射し、かつ、照射部分を観察するための覗き穴を設けた。 レゾナントリングを用いた高周波大電力通過試験では、セラミック高周波窓からのルミネセンスは、マルチパクタの有無(マルチパクタによるカソードルミネセンスの発生)やセラミックの破損状態を知る目安となる(F中心によるルミネセンスは局所溶融の結果現れる。)。そのため、重水素ランプによる紫外線照射では、ルミネセンスと重水素ランプ自身の発光スペクトルの分離が重要となる。紫外線照射は連続(CW)で行われるが、大電力通過は高周波源にあわせたパルスモード(パルス幅2μ秒、繰り返し20または50pps)となることを活かして、パルスモードでの発光スペクトル測定を行った。分光器フォトマルからの出力を、電流増幅器(10kHz-1GHz)で増幅し、ピークホールド回路を使ってCWの重水素ランプのスペクトルを分離することができた。また、大電力通過パルス内で、ルミネセンスの波形(ルミネセンス強度の時間依存性)を測定することができるようになった。
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