2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750294
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
赤澤 正道 北海道大学, 量子集積エレクトロニクス研究センター, 助教授 (30212400)
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Keywords | 可逆計算デバイス / 断熱論理回路 / 量子極限 / LSI / 集積回路 |
Research Abstract |
集積回路のさらなる発展のためには、新デバイスによる新たな回路構成方法も視野に入れておく必要がある。可逆計算デバイスの実現は、エネルギー損失の無い情報処理回路の実現につながり、高度な情報処理能力実現とともに集積回路の発熱の問題を解決する可能性がある。 ある計算機が可逆であるためには、熱力学的に保存的であると同時にビット保存が可能である必要がある。可逆計算機として概念的に提案された量子コンピューティングは、波動関数のコヒーレンスが持続されている時間内に、量子力学的な相関を利用してエネルギー損失無く高速で並列演算を行おうとするものである。しかし、その実現のための具体的な回路構成方法や、並列情報の入出力方法の提案や報告は、概念的なものあるいは極小さな規模の論理ゲートに対するものにとどまっている。 本年度には、量子デバイス回路において、時間がある程度かかっても全計算にかかるエネルギーを0に近付けようとするもう一つの情報処理方法を考えた。具体的には、断熱論理回路形式を適用することについて考え、実際にどこまで電力が低減し得るか、量子極限との関係について考えた。量子細線トランジスタや単電子トランジスタを用いた場合、量子極限近傍で動作させるための必要条件を提示した。(応用物理学会において発表。)断熱論理回路形式は、通常の集積回路において実績のあるアーキテクチャーなので、回路構成上の難点は無く、情報入力・出力のための回路も同じ形式を取ればよいので全システムにおいての消費電力低減を比較的容易に図れるというメリットがある。特に、単電子回路は、基本的には容量とトンネル接合により構成できるので、動作速度を遅くすれば、エネルギーをほぼ完全に回収することが可能である。また、実際に試作がなされた、二分決定グラフに基づいた単電子論理回路に対して適用すれば、断熱論理回路形式の威力が発揮できると期待される。
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