2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750314
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
石榑 崇明 慶應義塾大学, 理工学部, 助手 (00291162)
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Keywords | WDM / 波長合分波器 / GRINポリマーロッドレンズ / 屈折率分布 |
Research Abstract |
本研究では、ポリマー光ファイバー(POF)-WDM(波長多重通信)ネットワークに利用する多波長合分波(MUX/DEMUX)素子を提案した。現在、石英系シングルモードファイバーで使用されるDWDMシステム中のMUX/DEMUXには、多層膜フィルターやアレイ導波路素子などが用いられており、これらの素子は、100波長以上を多重化する。一方、POFネットワークでは、数波長を合分波するCWDMシステムの適用が期待されている。これは、通信容量の増大という機能を付加するためのみでなく、IPネットワーク内での波長ルーティング機能を付加させ、フォトニックネットワークをも可能にするためである。この場合、MUX/DEMUXもファイパーと同様、低価格であることが望まれる。 具体的な素子設計として、GRINポリマーロッドレンズをコリメーターとして、グレーティングと組み合わせた構成を提案している。光ファイバーシステム中で利用されるGRINロッドレンズでは、球面収差を低減するために屈折率分布を最適化しなければならない。本研究では、屈折率分布を最適化するために、コア部を二層に分けて重合させる2段階界面ゲル重合法を適用している。その結果、2段階界面ゲル重合法により理想的な屈折率分布を有するGRINポリマーロッドレンズの作製に成功した。 MUX/DEMUX素子は、1/4ピッチ長を有するGRINロッドレンズの一端面にグレーティングを張り合わせて作製した。性能評価は、白色光を1-mのGI型POFを通してGRINロッドレンズに入射し、その分光特性を調べる方法にて行った。実際に作製した素子において、波長に依存して、レンズ端結像位置が異なる結果が確認され、MUX/DEMUX素子機能を有する事が明らかになった。この結果はグレーティングの回折角より計算される出射パターンとほぼ一致しており、今後、レンズ形状、長さ、グレーテイングの最適設計により高効率MUX/DEMUX素子の作製が可能となる事を明らかにした。
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