2001 Fiscal Year Annual Research Report
直接通電による磁性薄膜の高周波透磁率計測装置の開発
Project/Area Number |
13750382
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
薮上 信 東北大学, 電気通信研究所, 助手 (00302232)
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Keywords | 透磁率計測 / 直接通電 / 高感度計測 / 高周波 / 磁性薄膜 |
Research Abstract |
(1)測定用短冊磁性薄膜を成膜および加工した。磁性薄膜はCoNbZr薄膜をRFマグネトロンスパッタにより成膜し、回転磁界中熱処理および静磁界中熱処理を施して一軸異方性を付与し、短冊幅100μm、50μmに加工した。磁性薄膜の異方性は短冊幅方向へほぼ付与されたことを確認した。 (2)ウエハプローブを直接CoNbZr薄膜に接触させた場合とワイヤボンディングにより電気的に接続させた場合において、CoNbZr薄膜の高周波インピーダンスをネットワークアナライザにより計測し、磁性薄膜の複素透磁率をニュートンラプソン法により逆問題的に求めた。解は一義的に定まり、得られた高周波透磁率は一様な磁界を印加して求める従来の透磁率計測方法に比較して、高感度計測が可能であることを示した。ここから高感度な磁性薄膜の透磁率計測においては本研究で提案する新手法が有効であることを明らかとした。一方で磁性薄膜表面に高周波磁界が集中する本手法の評価対象の問題、磁性薄膜内における印加磁界強度の不均一性、短針による接触における機械的な振動と計測誤差との関係等について本手法の問題点を認識した。 (3)有限要素法により磁性薄膜内の電流分布および磁界分布を解析し、磁性薄膜の透磁率とインピーダンスとの定量的関係を明らかにした。短冊磁性薄膜の端部においては磁性薄膜の外部への漏れ磁束は無視できるほど小さく、磁性薄膜の実効的な透磁率は薄膜そのものの透磁率とほぼ一致した。このことから本手法で得た磁性膜のインピーダンスには磁性薄膜自身の透磁率が反映されていることを明らかとした。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Yabukami: "Highly sensitive permeability measurements obtained by electrical impedance"Journal of Magnetism and Magnetic Materials. (in press). (2002)
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[Publications] 薮上信: "薄膜電極を用いた微細磁性薄膜の透磁率計測"電気学会全国大会. 3. 109 (2002)