2001 Fiscal Year Annual Research Report
EMC・真空適合性を重視した高感度変位センサの研究
Project/Area Number |
13750383
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
森脇 成典 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助手 (60262044)
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Keywords | 非接触変位センサ / 干渉計型重力波検出器 / EMC / 低アウトガス / 高確度センサ / 電圧制御発振器 / 周波数変調 |
Research Abstract |
本研究は、短波帯の電圧制御発振器(VCO)を用いて簡便な機構の非接触変位センサの作成を試みるものである.本年度(第一年次)に予定されていた計画のうち,VCO・変調用発振器の作成,センサヘッドの特性測定のためのマイクロメータ付きステージの作成が済み,同軸ケーブル共振器の共振パターンの取得とその変位依存性を調べた.設備備品として購入したネットワークアナライザの解析可能上限周波数が150MHzであるため,VCOは120MHz近辺で動作させている.これは,共振器として用いている7m同軸ケーブルの10倍高調波に対応する.指数の一つ異なる共振周波数の差をカウンタで計測できるようにするため共振器長をある程度長くする必要があり,これが測定感度自体を悪化させるのを危惧していたが,1mm以下の変位が十分計測できる感度を持っていることが確認できた.一般に非接触型変位センサの応用分野では,センサヘッドの測定対象物への接触は深刻な問題を引き起こす.接触の検出には別系統のセンサを用意しなければならないことが多いが,本計画で利用している機構では,接触時の「共振点と反共振点の転換」を利用して,センサヘッド部分に付加物を加えることなく接触を検出できることが見出された.この好ましい特性は,事前に予想していなかったが,レーザー干渉計型重力波検出器では光共振器で類似の現象が起こることは良く知られており,容易に理解することができた.本研究の要である,異次数共振周波数の差の読み出しのために必要な二系統のVCOのうち,系統は未作成となっており,現在行っているセンサヘッドの寸法と電気系パラメータの摺り合わせが済んだ後に取り掛かる予定である.その後に,本来の第二年次の計画項目である被測定物の材質・温度依存性,長期安定性,雑音特性評価,相互妨害特性評価に進む.
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