2001 Fiscal Year Annual Research Report
順応性および自己調節機能を有する多機能解覚センサの製作と物体認識評価
Project/Area Number |
13750405
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Yatsushiro National College of Technology |
Principal Investigator |
湯治 準一郎 八代工業高等専門学校, 情報電子工学科, 助手 (80332104)
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Keywords | 触覚センサ / 順応性 / 自己調整機能 / 皮膚感覚 / 圧覚 / 温冷覚 / 多機能センシング |
Research Abstract |
本研究は、皮膚感覚における圧覚と温冷覚の機能を単一のセンサデバイスで実現する新しいセンシング手法を提案し、人間の知的な機能である順応性および自己調節機能を付加した新しい多機能触覚センサの実現を目的としている。また、研究内容は、(1)センシング手法の検討、(2)センサの製作、(3)性能評価、(4)物体認識への応用に分けられる。 平成13年度は、(1)のセンシング手法の検討として、熱伝導を利用した触覚センサの温度変化の情報から、皮膚感覚における圧覚と温冷覚の両機能のセンサ化が可能であるかをシミュレーションにより調べた。 本研究では、センサ材料として、柔軟性に富み、更に熱伝導性が良い放熱用シリコンゴムと温度情報をセンシングするサーミスタを用いる予定で、片側(内部側)を高温の一定温度(36℃)に保ち、シリコンゴムの内部に非常に小型のサーミスタを埋め込むことで、複数の温度変化をセンシングする手法を提案する。今年度は、センサと対象物の熱伝導モデルを用いた熱伝導解析により、外気温度、接触させる物体の熱伝導率、接触圧のそれぞれに対するセンサの内部温度の時間変化を調べた。シミュレーション結果より、センサ温度の時間変化から、センサ温度と外気温度が等しくない場合には、外気温度の影響を受けずに物体の熱的性質の違いとセンサ(シリコンゴム)の変形量による接触圧の違いが識別しうる結果が得られた。また、外気温度がセンサ温度と等しくなる場合には、センサ温度を外気温度に対してある一定の差を生じるように自己調節することで回避できる。これにより、圧覚と温冷覚の両機能を温度情報の変化のみでセンサ化することの可能性が示された。 現在、これらの検証実験を行っており、この結果も含めて平成14年度に開催される学会、研究会等で報告する。平成14年度は、新たに順応性の機能を取り入れ、物体認識評価までの内容を実施する予定である。
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