2001 Fiscal Year Annual Research Report
多入力多出力システムの同定問題における伝達関数アプローチに関する研究
Project/Area Number |
13750415
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
田中 秀幸 京都大学, 情報学研究科, 助手 (90303883)
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Keywords | 部分空間同定法 / FIRモデル / 重みつき直交分解 / 最小二乗法 / 異常雑音 / 部分確率実現 / 線形時変システム |
Research Abstract |
本研究の目的は伝達関数アプローチと多入力多出力系に有効な部分空間同定法を融合するようなアプローチを提案することである.本年度は(1)部分空間同定法における直交分解による雑音除去,(2)伝達関数的なアプローチと思われるFIRモデルから係数行列を求める方法,(3)部分空間同定法において状態を求める方法を中心に研究を行った.研究成果は以下の通りである. 1)重みつき直交分解に基づく異常雑音除去を考慮した部分空間同定法の研究を進めた.重みつき直交射影により確定的信号を求め,MOESP法を適用する間接的な方法を提案した.この結果はIFAC Workshop on Adaptation and Leaming in Control and Signal Processing(2001年8月)で発表した. 2)入出力方程式をFIRモデルに初期状態値が加わる形式で記述できることを示した.また,初期状態値の影響が小さいとき,状態空間モデルの係数を求める方法を示した.振動的な制御対象に対しては本方法は間接的な方法よりもよい結果が得られる傾向にあること,入力が有色雑音のとき同定精度が劣化する傾向にあることを数値例により確認した.(未発表) 3)初期状態値を推定する予備的考察として,重みつき直交分解に基づく異常雑音除去に関する研究を部分確率実現(外生入力を受けない場合)に対して進めた.この予備的な結果は第30回制御理論シンポジウム(2001年11月,査読無し)で発表した.さらに研究を進め,未来の出力を過去の出力へ直交射影することにより,状態の推定値を得る方法も示した.この結果はIEEE Conference on Decision and Control(2002)に投稿中である.
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Research Products
(1 results)