2001 Fiscal Year Annual Research Report
光弾性と逆解析を用いた三次元応力場計測のための基礎的研究
Project/Area Number |
13750439
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小國 健二 東京大学, 地震研究所, 助手 (20323652)
|
Keywords | 三次元応力場 / 非破壊計測 / 三次元光弾性 / テンソル場トモグラフィー / 逆解析 |
Research Abstract |
本申請では、載荷に伴い材料内部に生じる応力場の時刻歴を非接触・非破壊で計測することを目的とし、光弾性の原理を用いた実験装置の開発と、実験結果を用いて三次元応力場を逆解析する手法の開発を試みた。 研究の最終目標は材料の破壊過程における応力場の変化を詳細に追跡することであるが、第一段階として、今回の交付希望期間内では、準静的に載荷される材料中で動的に破壊が進行する前の三次元応力場の計測・逆解析手法の開発を目指して研究を遂行した。特に、逆解析においてはテンソル場トモグラフィーという全く新しい手法を開発することを目指した。以下に研究実績をまとめる。 研究手法は実験および解析からなる。実験では、材料を多方向から一定波長の光でスキャンし、載荷とともに変化する三次元応力状態に対応する光弾性パターンを、それぞれの入射方向について時系列画像データとして記録する。このための光学系・載荷系それぞれの基本設計と装置のプロトタイプの製作を終えた。 解析においては、「材料内の応力状態の入射方向における射影を光路に沿って積分した情報」を反映する光弾性パターンの変化に基づいて材料内部の各点での応力状態の時刻歴を逆解析する手法を開発した。 この手法はテンソル場トモグラフィーの特徴でもある強い非線形性を克服する手段として、応力増分に関する線型化を試みたものであり、従来用いられてきた2次元光弾性手法の拡張(応力凍結法・散乱光法)や、弱い三次元性の仮定に基づく手法(Integrated photoelasticity)とは本質的に異なるものである。 この手法の適用により、任意の三次元応力場の非破壊計測が可能となる。現在までに、この手法に基づく数値実験で、三次元応力場逆解析に成功している。これら、逆解析手法の開発と数値解析結果をあわせてInternational Journalに投稿予定の論文を執筆中である。
|