2002 Fiscal Year Annual Research Report
交通荷重実態調査に基づく道路構造物の疲労損傷の要因分析
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13750456
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小塩 達也 名古屋大学, 環境学研究科・都市環境学専攻, 助手 (70303659)
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Keywords | Bridge Weigh-in-Motion / BWIM / 疲労 / 過積載 / 大型車活荷重 / べき乗則 / 縦桁 / 支点反力 |
Research Abstract |
国道23号四日市高架橋,国道25号亀山大橋,国道22号枇杷島高架橋において,縦桁を用いたBridge Weigh-in-Motion(以下BWIM)により測定された大型車両荷重のデータを集計した.車両通過ごとの縦桁の波形に対し日本鋼構造協会疲労設計指針に基づいて疲労損傷度を算出した.その結果,トレーラー類,トラック類ともに,それぞれの制限値(トラック類220kN,トレーラー類360kN)まで載荷した車両が疲労損傷に大きな影響を及ぼしており,この傾向は3地点でほぼ一致した.制限値を越える車両の比率は全測定台数の1〜2割であり,鋼橋では全体数に対する1〜2割程度の「過積載車両」によって疲労損傷の半分が生じていることが予想される.また,支点反力から軸重を測定するBWIMの手法を開発し,国道23号四日市高架橋および東名阪自動車道小島高架橋において,1週間の自動車活荷重測定を行なった.BWIMから得られた軸重,軸距データを,ある長さLを持つ単純桁支間中央曲げモーメントの影響線(縦距は無次元)に載荷して応答値を求め,レインフロー法による荷重範囲から車両ごとに損傷度を求めた.損傷度は(荷重範囲)のm乗×繰り返し数と定義し,疲労の「べき乗則」のべき指数mは,3=鋼部材),4=アスファルト舗装,12=鉄筋コンクリート床版として,疲労損傷度を計算した.四日市高架橋にトレーラー類の走行が多いため,車両総重量に対する台数頻度分布形状に2地点間で相違点が見られた.べき指数が3,4の場合,疲労損傷に大きく影響を及ぼす車両は影響線長さによらず,総重量200kN〜250kNの車両であった.また,総台数の1〜2割の車両によって損傷の半分を生じている.一方,べき指数12の場合には,特定の過積載車両が疲労損傷に与える影響が大きく,全台数に対して1〜2割程度の車両が疲労損傷の原因の99%を占めることが予想された.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 小塩達也, 山田健太郎, 深津 伸: "BWIMによる大型車両の実態調査と橋梁の疲労損傷度評価"構造工学論文集. Vol.48A. 1055-1062 (2002)
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[Publications] 小塩達也, 山田健太郎, 若尾政克, 因田智博: "支点反力によるBWIMを用いた自動車軸重調査と荷重特性の分析"構造工学論文集. Vol.49A(発表予定). (2003)