2002 Fiscal Year Annual Research Report
鋼製ラーメン橋脚の性能照査型設計に向けた地震時応答性状と耐震性能に関する研究
Project/Area Number |
13750458
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
永田 和寿 京都大学, 工学研究科, 助手 (40301238)
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Keywords | 鋼製ラーメン橋脚 / 地震時応答性状 / 任意水平方向 / 弾塑性有限変位解析 / 保有耐力 |
Research Abstract |
鋼製ラーメン形式橋脚の設計において、その地震時応答解析では橋軸、橋軸直角方向別に応答を計算するのが一般的となっており、2方向の相関を考慮した解析は行われていない。しかし、橋梁システム全体としての性能を考えた場合方向別入力が必ずしも有利にならないことがある。そこで本研究では、さらに合理的な鋼製ラーメン橋脚の設計法を確立するために鋼製ラーメン形式橋脚全体をモデル化した全体系モデルを作成し、汎用有限要素解析コードABAQUSを用いた弾塑性有限変位解析を行うことで、任意水平方向についての力学的挙動を把握し、その保有耐力についての検討を行った。 解析モデルへの載荷方法として以下に述べる6ケースについて行った。Case-1では面内方向に、Case-2では面内方向から30°面外方向に、Case-3では面内方向から60°面外方向に、Case-4では面内方向から75°面外方向に、Case-5では面外方向左右同じ方向に、Case-6では面外方向左右逆方向に左右柱頭部に直接水平変位を与えることにより載荷を行う変位制御で行った。各ケースにおける鋼製ラーメン橋脚の水平荷重と水平変位の関係、崩壊過程およびX方向とY方向の相関について比較・検討を行った。その結果、崩壊過程に違いがあるものの、面外方向を除いてその耐荷力はほぼ等しく、Case-5を除き、ラーメン形式橋脚に載荷される力の方向が橋軸方向に変化するにつれて最大水平荷重が徐々に減少していることが確認された。さらに、2方向の相関曲線からはCase-3,4,5において最大耐荷力点以降急激にY方向(面外方向)の耐荷力が低下し、Case-2,3,4の降伏点が、X方向とY方向の降伏点を独立に求めた降伏点を直線で結んだ降伏関数とよく一致することが分かった。以上の点より、X-Y方向の間には力学的な相関があり、ラーメン形式橋脚の合理的な設計を行う上でこの相関を考慮することが今後重要であることが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)