2001 Fiscal Year Annual Research Report
腐食損傷を受けた鋼構造部材の残存寿命評価手法の開発
Project/Area Number |
13750460
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
大西 弘志 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (70283728)
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Keywords | 鋼構造部材 / 腐食損傷 / 腐食形状 / 残存性能評価 / 環境促進試験 / 疲労 |
Research Abstract |
本研究では腐食損傷を受けた鋼構造部材の残存性能の評価法を提案するために研究を推進することを計画し、研究を遂行している。以下に、現在の研究実施状況について述べる。 本年度は、腐食損傷を受けた鋼板の残存性能評価に関する研究を企画・推進している。まず、JIS 1A試験片に準じた試験片100体(引張試験40体、疲労試験60体)を用意した。試験片のつかみ部分など、腐食後の試験片の状況調査において腐食の発生を避ける必要がある部位には防錆処理を施し、本研究室で保有している環境試験機を用いて試験片に腐食損傷を発生させた。このとき、試験片に与える腐食損傷の程度は、腐食損傷程度の違いが評価値と実際の残存性能との関係に与える影響を明らかにするため、環境促進試験機内に設置する時間を調整することによって、5段階に変化させて付与することにした。腐食損傷を与えた試験片を薬品で洗浄した後、本研究で導入したCCDレーザー変位センサを核とした形状測定システムを用いて試験片形状を3次元的に把握することを試みた。この形状測定以外にも数種類の計測を実施した後に、各腐食段階の試験体について残存性能の確認を行う予定であるが、現在は損傷を受けていない試験片の試験を行っている段階であり、腐食による影響はまだ確認されていない。また、本研究室で保有している汎用FEMプログラムを用いて、腐食調査で得られた形状データに基づ<、実際に試験片に生じている形状を忠実に再現したモデルを作成し、腐食部材の微小部分における応力状態などを確認することを予定しているが、これについても現在、形状データの整理が完了していないため、今後早急にデータの整理を行い、モデルの作成に取り掛かる予定である。この部分に関しては来年度5月頃までを目途として、応力発生状況の確認を行い、鋼板における腐食損傷の調査結果と残存性能の間にある関係を明確にする予定である。
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