2001 Fiscal Year Annual Research Report
木橋の腐朽劣化を防止するために―その評価と対策法について
Project/Area Number |
13750463
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
渡辺 浩 熊本大学, 大学院・自然科学研究科, 助手 (60244109)
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Keywords | 木橋 / 耐久性 / 維持管理 / 腐朽 |
Research Abstract |
本年度の到達目標は以下の2項目である。 1.木橋の腐朽事例を収集・整理と腐朽しやすい箇所の特定 2.腐朽菌の鑑定による腐朽害の系統的評価と今後の劣化進行速度の予測 これらを鑑み今年度は全国34橋の実地調査を行い、以下の知見を得た。 ・木橋が再び見られるようになって10年あまりであるためそれらの多くは比較的新しく、腐朽事例は目立たなかった。 ・腐朽が疑われる箇所は水回りの不備ときわめて明快な相関がある。しかしながら近代木橋の中には水回りに対する適切な配慮が欠けているものが多く今後問題となることが想像される。 ・木材腐朽菌はそれぞれについて複数種存在するが、これらは住宅等に一般に見られるものであり特に木橋特有の傾向は見られなかった。しかし、木橋は住宅で間題となる蟻害については全く見られなかった。 ・ボンゴシのような高耐久性をうたう輸入木材を用いた木橋では、必ずしも当初の期待を発揮していないものが見られた。これらについては日本の気候風土を考慮した設計とはなっておらず水回りに決定的な問題があるので、今後監視が必要である。 ・今後の劣化予測は維持管理と密接な関係があるため、一概には表現できない。劣化防止の観点からは適切な維持管理のあり方が示される必要がある。 ・維持管理に費やすことができるコストも無尽蔵なわけではなく、最低限の維持管理スペックとしての程度と要点をまとめることが重要であると思われる。一方で、現在ほとんど維持管理がなされていない木橋であっても十分に機能は有していることからも、それらの安全性をいかに判断するかが今後の課題である。
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Research Products
(2 results)