2001 Fiscal Year Annual Research Report
洪水規模に着目した河川高水敷土壌環境の形成機構に関する研究
Project/Area Number |
13750485
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
戸田 祐嗣 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60301173)
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Keywords | 洪水流 / 高水敷 / 土壌 / 有機物 / 栄養塩 / 土砂輸送 / 植生 |
Research Abstract |
洪水流による高水敷土壌環境の形成機構に関する現地観測,数値計算を実施した. 現地観測では,礫床河川高水敷を対象として,洪水前後の高水敷土壌中栄養塩・有機物量,高水敷表層土壌粒度分布,高水敷植生分布および粒径別土壌中栄養塩・有機物含有量の計測を行った.観測の結果,高水敷土壌中の栄養塩や有機物は,粒径の小さな土壌に多く含有されていること,観測対象とした洪水時には,高水敷土壌中から粒径の小さな土壌が流出し,その結果,高水敷土壌中栄養塩量が減少したことが示された. 現地観測の結果に基づき,洪水流による高水敷土壌栄養塩変化を予測する数値計算モデルを構築した.本モデルは,複数の粒径に対する浮遊砂の輸送計算を行い,洪水前後の堆積浮遊砂量の変化に,各粒径の土壌中栄養塩含有率を掛け合わすことによって,土壌中栄養塩量の変化を予測するものである。流れ場の解析には水深平均されたReynolds方程式を用い,浮遊砂輸送の解析には,水深平均浮遊砂濃度の輸送方程式を用いている.また,基礎方程式は,実河川を対象とした数値計算が実施できるように,一般曲線座標系で記述されている。本数値計算モデルを用いて,観測された洪水流を対象とした数値計算を実施した結果,洪水前後の高水敷土壌中の栄養塩量の増減をおおむね再現することが出来た.異なるピーク流量の洪水流に対して数値計算を実施した結果,本計算対象河川の場合,洪水のピーク流量が約500m^3/sよりも小さい場合,高水敷土壌の栄養塩量が部分的に増加し,500^3/sよりも大きな洪水では,高水敷全体で栄養塩量の減少が生じることが明らかになった.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 戸田祐嗣: "PIVの実河川流速計測への適用性に関する研究"河川技術論文集. 7. 479-484 (2001)
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[Publications] Yuji Toda: "Effects of Flood Flow Soil Environments of Flood Plains in a Graved River"Proc. 2nd IAHR Symp on River, Coastal and Estuarine Morphodynamics. 2. 403-412 (2001)
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[Publications] 戸田祐嗣: "礫床河川における洪水時の栄養塩輸送に関する数値計算"第56回土木学会年次学術講演会講演概要集. (CD-ROM). (2001)