都市熱環境緩和と都市空間構造に関する数値解析

2001 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 13750522
• Research Category: Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
• Research Institution: Nagoya Sangyo University
• Principal Investigator: 岡村 聖 名古屋産業大学, 環境情報ビジネス学部, 講師 (80314087)
• Keywords: 数値モデル / 都市キャノピー / 植生キャノピー / 土地利用 / 気候緩和

Research Abstract

本研究は、太平洋側沿岸部の大都市域の典型例として名古屋を中心とした濃尾平野を対象に、当該地域の気候特性を活かした建物の空間分布、道路、植生、水田、水面等の分布を調べることを目的としている。
初年度は、1.詳細な土地利用分布データの作成、2.空間3次元キャノピーモデルの改造、3.対象領域における真夏日、熱帯夜の温度空間分布の再現、の3点について研究を進める予定であった。
1.については、(1)GISソフトウェア、(2)詳細な土地利用分布の基となるデータ、が必要である。申請者の職場の異動に伴い、(1)を共同利用ではなく、申請者の研究室内に導入しなければならない事情ができた。これらは大変高額なため、本年度は(1)のみを導入した。次年度に(2)を購入する予定である。但し、モデル開発自体は妥当な仮定による代替データにより継続しているため、研究への深刻な支障はない。
2.については、並列計算機能を備えたあらゆる科学技術演算用サーバに対応可能なモデルソースコードへの改良を段階的に進めているところである。計算時間の短縮に最も有効な支配方程式系の部分の改良については完了した。
3.については、最終的な成果報告に必要となる、(1)都市熱環境の広域性、(2)熱環境と都市空間構造の空間1次元性、(3)熱環境と都市空間構造の空間3次元性に対する知見を、それぞれ、本報告書の研究発表に記載した順に取りまとめた。例えば、(2)については、観測結果との比較によりモデルの有効性を確認すると共に、晴天で空間1次元性がなりたつ気象状況の場合、日中低層の建物が密集している地域がより高温になること、夜間高層の建物が密集している地域で気温が低下しにくいこと、等の結果を得た。
次年度は、3.(3)について更に研究をすすめると共に、省エネルギー都市空間構造に関するシナリオ作成及びモデルシミュレーションによる考察を行う予定である。

Research Products

• [Publications] 岡村 聖: "土地利用変化の広域熱環境に与える影響"名古屋産業大学論集. 第2号. (2002)
• [Publications] 岡村 聖: "熱環境に対する都市空間構造の影響"名古屋産業大学環境経営研究所年報. 第1号. 3-10 (2002)
• [Publications] 岡村 聖: "気候緩和と都市空間構造に関する数値解析"土木学会第57回年次学術講演会講演概要集. (2002)