2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750538
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
呉 明児 名古屋大学, 環境学研究科, 助手 (90314046)
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Keywords | テンション構造 / 複合構造 / アーチ構造 / ラチスシェル / 張力導入 / 座屈 / 補剛 / 初期張力 |
Research Abstract |
本研究では,テンション材により補強された構造物の構造挙動を検討するために,課題:(1)補強された柱の構造挙動,(2)張力導入法,(3)補強されたアーチ及びドームの構造挙動,(4)補強されたアーチの座屈実験,を設定した。昨年度は課題(1)と課題(2),今年度は課題(3)と課題(4)について研究を行った。今年度は数値解析とモデル実験により以下の研究実績を得た。 1.テンション材により補強されたアーチ及びドームの構造挙動に関する解析的研究 テンション材を用いて補強されたアーチ及びドームを取り上げ,テンション材補強による構造物の変位,応力及び座屈荷重の変化,座屈性能を検討した。テンション材の配置箇所,配置パタン,初期張力のレベル及びテンション材の張力消失が座屈荷重に与える影響を調べた。 2.テンション材により補強されたアーチに関するモデル実験 スパン2000mm,ライズ300mmの偏平アーチに,直径1mmのワイヤを取り付け,実験モデルを製作した。予備実験として,ワイヤの初期クリープを取り除くための引張実験,ワイヤ張力測定金具,アーチ及びワイヤのヤング率測定実験を行った。補強されたアーチについて,ワイヤの初期張力導入実験,固有振動数を測定するための自由振動実験,集中荷重及び分布荷重による載荷実験を実施した。補強による固有振動数の変化,ワイヤの初期張力のレベルによる座屈荷重の変化,ワイヤの張力が消失した後におけるアーチの挙動,アーチの座屈モードを実験で確認した。実験結果と数値解析結果がよく一致しており,ワイヤの補強効果を確認できた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 呉 明児, 佐々木睦朗, 大森博司: "テンション材により補剛された圧縮材の座屈性状に関する研究"日本建築学会構造系論文集. 第556号. 93-99 (2002)
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[Publications] Minger Wu, Mutsuro Sasaki, Hiroshi Ohmori: "Geometrically Nonlinear Analysis and Experiment on Pin Joint Stayed Column"Proceedings of the International IASS Symposium on Lightweight structules in Civil Engineering. 233-240 (2002)
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[Publications] 呉 明児, 大森博司, 佐々木睦朗: "テンション材により補剛されたシステムの構造挙動 その1 補剛された柱の解析"日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸). B-1. 849-850 (2002)
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[Publications] 小西泰孝, 呉 明児, 佐々木睦朗: "テンション材により補剛されたシステムの構造挙動 その2 補剛された柱の座屈実験"日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸). B-1. 851-852 (2002)
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[Publications] 小松宏年, 呉 明児, 佐々木睦朗: "テンション材により補剛されたシステムの構造挙動 その3 補剛されたアーチの解析"日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸). B-1. 853-854 (2002)
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[Publications] 大森博司, 呉 明児: "膜張力の非接触測定法の開発に関する実験的研究"日本建築学会大会学術講演梗概集(北陸). B-1. 847-848 (2002)