2002 Fiscal Year Annual Research Report
複数ユニット・グループホームにおける環境が痴呆性高齢者の行動にもたらす影響
Project/Area Number |
13750566
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Research Institution | Hokkaido Information University |
Principal Investigator |
隼田 尚彦 北海道情報大学, 情報メディア学部, 助教授 (40301014)
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Keywords | 複数ユニット / グループホーム / 痴呆 / 高齢者 / 環境行動学 / 相互浸透論 / 地域ケア / QOL |
Research Abstract |
本研究の主たる調査対象グループホームは,研究代表者が設計したもので、3ユニットと2ユニットからなる2個所の痴呆性高齢者グループホームである。どちらのグループホームも,ユニット間の関係を重視し,積極的に敷地内外の外部空間を活用できるように計画・設計した。3ユニットの方は平成12年3月に,2ユニットの方は平成14年3月に完成した。3ユニットの方は,平面的に3軒が隣り合い,冬季積雪期にも安全に行き来できるカバード・ウォークで繋がっている。ここでの行動観察調査等の結果,このカバード・ウォークが(1)ユニット間の近隣関係の形成,(2)周辺地域を含む積極的な屋外利用の推進,(3)入居者のQOLの維持・向上に大きく寄与することが明らかとなった。一方で,このカバード・ウォークの温度環境が基本的に屋外と全く変わらないため,冬季の入居者の利用が難しいことも明らかになった。そこで,後発の2ユニットでは,半屋外空間として2面をガラスで覆われた吹き抜けを用意した。この空間は,2層に重ねたグループホーム・ユニットの各玄関の外に前庭のように設けてあり,床暖房で冬季温度を15℃程度に設定してある。このためカバード・ウォークに比べ,冬季の活用が頻繁に行われていた。 また,このグループホームでは,特に自ユニット内で混乱した入居者が他ユニットにお茶を飲みに行くことで安定することが日常的におきていることが確認された。これは,上記3ユニットのグループホーム同様に,ユニット内でのスモール・デメリットに対して,冬季でも安全な半屋外や隣接ユニットの時的利用(訪問)が,各入居者のQOLを良い状態に維持するのに繋がることを意味する。特に,2ユニットの方は,半屋外空間が冬季の温度環境も十分考慮しているため,近隣への散歩が難しい積雪期でも頻繁に使われている。他ユニットヘの立ち寄りや訪問も数多く観察され,擬似的な地域ケアの提供を確認できた。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Naohiko Hayata, Toshinobu Oku, Michiko Asano: "Resident's Behavior In Multi-Unit Group Home Environment For People With Dementia A Case Study of a Site in the Snowy City, Sapporo Japan"The Proceedings of the 32^<nd> Annual Conference of Environment Design Research Association. 32. 174 (2001)
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[Publications] 隼田尚彦, 長井巻子, 高木理恵, 紺野拓志, 浅野倫子, 戸所真聡, 奥 俊信: "複数ユニットグループホームにおける物理的環境と入居者のQOL -環境行動学的視点から-"第2回日本痴呆ケア学会大会 抄録集 痴呆ケアの現場から PartII-新しいケアの道を探る-. 64 (2001)
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[Publications] 浅野倫子, 隼田尚彦, 奥俊信: "共用空間の選択性と玄関の施錠が入居者の生活に及ぼす影響 -グループホームにおける環境と人間行動の相互作用について(その2)-"日本建築学会大会学術講演梗概集(関東). 1077-1078 (2001)
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[Publications] 戸所真聡, 隼田尚彦, 浅野倫子, 奥俊信, 森傑: "入居者の行動と外部空間のあり方"日本建築学会北海道支部研究報告集. 75. 199-202 (2002)
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[Publications] 浅野倫子, 隼田尚彦, 奥俊信, 戸所真聡, 森傑: "共同生活における人間関係の形成と共用空間のあり方 グループホームにおける環境と人間行動の相互作用について(その3)"日本建築学会学術講演梗概集E-1分冊. 291-292 (2002)
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[Publications] 戸所真聡, 隼田尚彦, 浅野倫子, 奥俊信, 森傑: "入居者の行動と外部空間のあり方 グループホームにおける環境と人間行動の相互作用について(その4)"日本建築学会学術講演梗概集E-1分冊. 293-294 (2002)