2001 Fiscal Year Annual Research Report
大阪市社会部による昭和戦前期の供給住宅の歴史的展開と現状に関する調査研究(下寺町・日東町改良住宅および北畠分譲住宅を中心に)
Project/Area Number |
13750596
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
中嶋 節子 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 講師 (20295710)
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Keywords | 南日東住宅 / 改良住宅 / 北畠住宅 / 大阪市 / 近代 / 昭和初期 |
Research Abstract |
本年度は南日東住宅の現地調査,資料調査および北畠住宅の資料整理を行った。 南日東住宅については,現地調査において全戸数260戸のうち住戸内の改変状況実測(平面・展開・出し家矩計)159戸,内部写真撮影163戸,外部配置実測,外観写真撮影,細部意匠調査を実施した。南日東住宅は2001年8月に取り壊されて現存せず,本調査のデータは解体直前の状況を記録した点で貴重なものとなった。これらのデータをもとに,当初部材の残存率などを示した分布図10種類,各住戸パターンについて平面図・展開図・出し家矩計図,全体配置図を作成した。データの整理後,改変状況の分析に着手している。資料調査に関しては,建設の背景・経緯,当初の設計計画を解明するための基礎資料として,大阪市所蔵の設計図面,当時の新聞・雑誌,大阪市社会部報告,内務省資料等を広く収集・整理した。設計の具体的な内容に関しては,取り壊し直前の状況と設計図面を比較することで,当初の住戸内部仕様(建具・床・天井・台所など)を明らかにするとともに,改変などその後の建物の履歴を追っている。また,同時代のRC造改良住宅である東京の猿江住宅,大阪の今宮住宅,下寺住宅,北日東住宅との比較検討のための資料も収集している。 北畠住宅については,数年来収集した資料とこれまでの現地調査(実測・アンケート・ヒヤリング)によって明らかになった点について,日本建築学会近畿支部に論文(中嶋節子・寺田昌代・牧宏美「大阪市営北畠住宅について」平成13年度日本建築学会近畿支部研究報告集)として発表した。資料収集はさらに継続している。本年度は併せて,北畠住宅に続いて建設された分譲住宅・杭全住宅についても調査を進め,資料収集,現地調査の一部に着手した。
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Research Products
(1 results)