2001 Fiscal Year Annual Research Report
方位配向FePt、FePdナノ粒子2次元分散膜の構造と硬質磁性との相関について
Project/Area Number |
13750612
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
佐藤 和久 大阪大学, 産業科学研究所, 助手 (70314424)
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Keywords | 方位配向 / FePt / FePd / 規則化 / L1_0構造 / 硬質磁性 / 高分解能電子顕微鏡 / ナノ粒子 |
Research Abstract |
NaCl(001)基板上に方位配向Fe/Ptナノ粒子を形成し蒸着後の熱処理により規則合金化させ、その構造・形態と磁気的性質を調べた。その結果、規則化初期に個々のナノ粒子中に3種類のバリアントから成る微細ドメイン構造が形成され、規則化の進行とともに単一バリアント粒子へと構造が変化していくことが判明した。そこで微細ドメイン構造形成に至るプロセスに注目しより詳細な高分解能透過型電子顕微鏡観察を行った。FePtナノ粒子は電子ビーム蒸着法によりPt、Fe、Al_2O_3の順に蒸着することにより作製した(基板温度:673K)。蒸着後673〜873Kにて熱処理を行った。ナノ粒子組織は透過型電子顕微鏡(JEM-2010,JEM-3000F)により観察した。蒸着後、種々の温度で熱処理を行った試料の高分解能電子顕微鏡観察の結果、規則化初期過程(843K-1h熱処理)において個々の粒子中に規則格子の(110),(001)格子縞が不明瞭ながら観察された。873K-6h熱処理後の試料では格子縞が明瞭になるとともに微細ドメイン構造を形作っていることが判明した。さらに873K-24hの熱処理を施すと、微細ドメイン構造が解消され単一バリアント粒子が形成されていることが判明した。これらの高分解能観察結果より微細ドメイン構造形成の起源は熱処理中に方位の異なる粒子が合体することによるものではないことがわかる。試料の保磁力は873K以上の温度で熱処理をすることにより急激に増大し、平均粒径12nmの方位配向FePtナノ粒子分散膜では室温で5kOe、平均粒径20nmでは10kOeに達した。保磁力の増大はナノ粒子の規則化と対応している。方位配向FePdナノ粒子についても同様に規則化過程を検討した結果、FePtとは異なり規則化過程において微細ドメイン構造は見られず、単一バリアント粒子が優先的に配向成長することが判明した。また規則格子形成に伴い室温で3kOeを越える高保磁力が得られた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] K.Sato, B.Bian, Y.hirotsu: "L1_0 Type Ordered Phase Formation in Fe-Au Nanoparticles"Jpn.J.Appl.Phys.. 41(1A/B). L1-L3 (2001)
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[Publications] K.Sato, B.Bian, T.Hanada, Y.Hirotsu: "Oriented L1_0-FePt nanoparticles and their magnetic proeprties"Scripta Mater. 44(8/9). 1389-1393 (2001)
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[Publications] K.Sato, B.Bian, Y.Hirotsu: "Hard magnetic properties of oriented FePd ordered alloy nanoparticles with 2D dispersion"Proc. 4^<th> Seminar of Core University Program between Japan and Korea. 181-184 (2001)
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[Publications] 佐藤和久, 弘津禎彦: "方位配向FePd規則合金ナノ粒子"日本金属学会会報まてりあ. 40(12). 1020 (2001)
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[Publications] 佐藤和久, 下波, 弘津禎彦: "方位配向FePtナノ粒子2次元分散膜の構造と磁気的性質"日本金属学会会報まてりあ. 40(2). 172-177 (2001)
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[Publications] 佐藤和久, 弘津禎彦: "強磁性規則合金ナノ粒子2次元分散膜の創製と機能"マテリアルインテグレーション. 17(1). 13-17 (2001)
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[Publications] 佐藤和久, 下波, 弘津禎彦: "電子顕微鏡の実践と応用写真集(分担執筆)"方位配向FePtナノ粒子2次元分散膜の構造と磁気的性質. 254 (2002)