2001 Fiscal Year Annual Research Report
HOLZ図形を利用した転位等周りの微小歪場可視化法の確立と応用
Project/Area Number |
13750613
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
竹元 嘉利 岡山大学, 工学部, 助手 (60216942)
|
Keywords | 歪場 / 透過電子顕微鏡 / 収束電子線回折 / 高次ラウエゾーン図形 / 転位 / 析出物 |
Research Abstract |
透過型電子顕微鏡のHOLZ(高次ラウエゾーン)図形を利用して,材料中の微小欠陥周りの歪場を測定した.本手法を用いた歪場の測定では,測定空間分解能は1nm以下.検出最小格子歪みは0.01°以下であった.bcc構造を有するMo単結晶中に存在する転位等周りの歪場解析を行ったところ,大別すると歪場マップには2種類のパターンが現れ,試料中に存在する転位の向きに依存することが分かった.転位線が試料に横たわっている場合には,転位をはさんで格子が折れ曲がっている様子が観察され,立っている転位では,転位を中心として渦巻き状のベクトルマップが得られた.特に切り立ったらせん転位周りでは,格子がらせんを描いて歪んでいる様子が確認された.また,刃状転位とらせん転位を比較した場合,刃状転位周りの方が格子の歪みが大きいことが分かった.同じbcc構造を有するFe-3%Si合金単結晶でも同様な結果が得られたが,材料による大きな違いは分からなかったが,現在検討中である. さらに本手法の応用としてアルミ合金中のホウ酸アルミウィスカー複合材について,ウィスカーが母材から受ける歪場を測定した.ウィスカーの長軸断面と短軸断面とで比較を行った場合,ウィスカーの弾性異方性によって歪み彫態が異なり,複合材の性能に大きな影響,を及ぼすことが明らかになってきた. 今後は本手法の妥当性を確立するためCu-Co合金のCo粒子周りの歪場について測定し,過去の計算結果と比較検討を行う予定である.
|
Research Products
(1 results)