2002 Fiscal Year Annual Research Report
安定化過冷却液体を利用したバルク金属ガラス複合材料の創製と性質
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13750638
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
加藤 秀実 東北大学, 金属材料研究所, 助手 (80323096)
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Keywords | バルクガラス合金 / 過冷却液体 / 複合材料 / 非線形粘性流動 / 応力誘起構造変化 / ナノ結晶 |
Research Abstract |
昨年度の結果として、金属ガラスの過冷却液体状態における非線形粘性流動は、ナノ結晶相の形成・生成を抑制する効果を有することを示し、粘性流動条件が金属ガラスの複合材料化を左右するパラメータと成り得ることを明らかにした。粘性流動を用いた複合材料設計を念頭に、更に詳細に調査したところ、この非線形粘性流動は、相に対して相反する2つの効果を有していることが明らかになった。これは、つまり、応力誘起型Disordering効果と、Friction Lossによる発熱に伴う結晶化促進効果である。前者の例として、Zr基バルクガラス合金の場合、Tg温度では、粘性率を1/10にするのに対して、約500J/molの熱量に相当するDisorderingが行なわれた。また、同材料の発熱に伴う温度上昇は、定常流動応力と歪速度の積に比例することが確認された。よって厳密に言えば、非線形粘性流動が、ナノ結晶化を促進するのか抑制するかを議論する場合、これらの2つの効果のバランスを議論することが必要であることが示されたことになる。今後の展開としては、Friction Lossに伴う発熱量が拡散しやすい変形環境と、拡散しにくい変形環境を構成し、これらの2条件下におけるナノ結晶化挙動の違いを調査する必要があると考えられる。 金属ガラスの安定化冷却液体を利用した粘性流動の非線形化現象の発現は、試料とダイスとの摩擦に伴う応力分布の形成によって、試料内分布を形成していると予想される。このことは、逆にこのような2次的要因を制御すれば試料内のナノ結晶相の形成部位を制御できることを示している。これを明らかにするために、Pd_<40>Ni_<10>Cu_<30>P_<20>バルクガラス合金(円柱状試料,2mm径,4mm長さ)の定クロスヘッド速度変形時に発現するストレスオーバーシュートを、研究代表者らが提案している仮想応力モデルに基づく有限要素解析によって、その流動構造分布の変化を調査した。円柱状試料の場合、応力誘起Disorderingは試料内部から外部に向かって進行し、ストレスピーク時に大きかった緩和時間分布は、定常状態では小さくなっていることが確認できた。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] H.Kato, E.Matsubara, A.Inoue, N.Nishiyama, H.S.Chen: "Heat of evolution and structural analysis on the non-Newtonian viscous flow of Pd_<40>Ni_<40>P_<20> glassy alloy"Mater. Sci. Engg. A. (Accepted). (2003)
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[Publications] H.S.Chen, H.Kato, A.Inoue: "In-situ observation of stress-induced structural disorder and fictive stress of Zr_<55>Al_<10>Ni_5Cu_<30> glassy alloy"J. Non-Cryst. Solids. (Accepted). (2003)
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[Publications] H.S.Chen, H.Kato, A.Inoue: "Observation of stress-induced structural disorder and fictive stress in bulk metallic glasses"Mat. Res. Soc. Symp. Proc.. (2003)
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[Publications] 加藤秀実: "金属ガラスの粘性流動特性"機能材料. 7月号. 5-8 (2002)