2001 Fiscal Year Annual Research Report
イオン・ラジカル照射を制御したECRプラズマプロセスによる窒化カーボン成膜
Project/Area Number |
13750670
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
安井 利明 大阪大学, 基礎工学研究科, 助手 (10263229)
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Keywords | ECRプラズマ / ECRスパッタリング / 反応性スパッタリング / 窒化カーボン / 基板バイアス |
Research Abstract |
本研究では、ECRプラズマを用いたイオンとラジカルの同時照射・制御を可能にするプロセスにより、高硬度窒化カーボンの成膜を目指す。 まず、スパッタリングターゲットにグラファイト、作動ガスに窒素とアルゴンの混合ガスを用いECRプラズマスパッタリングにより窒化カーボンの成膜を行った。作動ガス混合比N_2/Ar=1.0、ターゲット電圧-250Vで窒化炭素薄膜の最大の原子組成比N/C=0.57が得られるが、ターゲット電圧-500Vで窒化炭素薄膜ではN/C=0.52であった。しかしながら、窒化炭素薄膜中のSP^3結合の比率はターゲット電圧と共に向上した。 次に、上記の成膜条件の下で質量分析と発光分光によりプラズマ診断を行った。質量分析からターゲット電圧及び作動ガス混合比を高くすることにより、C_3N^+,(CN)_2^+,C_4n^+,C_3N_2^+,(C_2N)_2^+,などの粒子が基板まで到達していることがわかった。更にプラズマの発光分光によりプラズマ中の原子状窒素の発光がターゲツト電圧の上昇と共に増加していることも分かった。これらの結果、ターゲット電圧の上昇により、活性な粒子種が多く基板へ供給されることを明らかにした。 次に、ターゲット電圧や基板電圧がプラズマに対して与える影響を調べるために、静電プローブ測定によりプラズマ診断を行った。その結果、ターゲット電圧によっては、これらのプラズマ物理量が大きな影響を受けることも分かった。一方、直流もしくは高周波の基板電圧によってプラズマ物理量(プラズマポテンシャル、プラズマ密度、電子温度)が大きく影響を受けないことを確認した。この結果ターゲット電圧と基板電圧を制御することにより、基板へのラジカル照射とイオン衝撃を独立で制御しながら成膜を行えることを明らかにした。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] T.Yasui, T.Uchizono, M.Koujina, H.Tahara, T.Yoshikawa: "Plasma Diagnostics on ECR Plasma Sputtering for Carbon Nitride Deposition"Proceedings of 15^<th> International Symposium on Plasma Chemistry. 6. 2298-2303 (2001)