2001 Fiscal Year Annual Research Report
超微粒子ビームによる酸化チタン多孔質皮膜形成に関する研究
Project/Area Number |
13750671
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
塚本 雅裕 大阪大学, 接合科学研究所, 助手 (90273713)
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Keywords | 超微粒子 / 超微粒子ビーム / 酸化チタン / 多孔質皮膜 |
Research Abstract |
超微粒子ビームによる皮膜形成は、飛行する超微粒子が基板に衝突、付着、堆積することで生じる。つまり飛行速度は、皮膜形成にとって重要なパラメーターの一つであり、最適な飛行速度を明らかにすることは重要である。そこで皮膜形成に必要な速度を定量的に明らかにするために速度計測装置を製作した。現在使用している実験装置において皮膜が形成される場合の飛行速度は、200m/s〜300m/sであることが分かった。次に皮膜形成に対するビーム入射角依存性について調べた。実験では、粒径200nmの酸化チタン粉末を用い、飛行速度を300m/s付近に設定し、ビーム入射角を0°から50°まで変化させた。0°の場合は、圧粉体による皮膜形成が支配的で、皮膜の基板に対する密着性は非常に低いことが分かった。また、50°付近におけるビーム照射では、皮膜形成は認められなかった。30°付近に設定した揚合には、圧粉体による皮膜形成は認められず良好な皮膜が形成された。斜入射の場合、飛行粒子は基板表面に対し平行方向に速度成分を有することになる。つまり、密着性の低い皮膜成分は、次に衝突する粒子によって基板平行方向に力を受け引き剥がされる(ビームの連続照射効果)ことになる。30°の場合、ビームの連続照射効果により圧粉体成分が除去され、密着性の高い成分だけが堆積し良好な皮膜が形成されたと考えられる。50°の場合に、皮膜が形成されなかった理由として、第一に粒子付着のための基板表面垂直方向への粒子飛行速度成分が不足し付着が起こらず皮膜が全く形成なかったことが考えられる。第二に密着性の低い皮膜のみが形成され、ビームの連続照射効果によって全て引き剥がされたことが考えられる。
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