2001 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛電解採取における鉛基合金電極材料の開発に関する基礎研究
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13750684
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Akita University |
Principal Investigator |
高崎 康志 秋田大学, 工学資源学部, 助手 (50282158)
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Keywords | 亜鉛電解採取 / アノード / Pb-Ag-Ca系 / 鉛合金アノード |
Research Abstract |
亜鉛電解採取用Pb-Ag-Ca系アノードの電解特性について調査を行った。基本的な系であるPb-Ag(0〜1.2mass%)系及びPb-Ca(0〜1.2mass%)系合金アノードについて調査したところ、アノード中に含有されるAg、Caが増加するのに伴って浴電圧は低下した。純Pbアノードと比較すると、Pb-1%Ag系及びPb-1%Ca系ともに約100mV浴電圧が低下した。電解後アノード表面のX線回折結果より、α及びβ-PbO_2の回折線が確認された。浴電圧が低下したアノードほどβ-PbO_2の回折線強度が強いことから、β-PbO_2の生成が浴電圧低下の一要因であることが考えられた。Pb-Ag(0〜1%)-Ca(0〜1%)系アノードは、アノードに含有されるAg、Caが増加するにつれて浴電圧及びアノード電位が低下し、Ag含有量よりもCa含有量の影響が大きい。Pb-1%Ag系及びPb-0.5%Ag-0.6%Ca系のアノード電位を比較すると後者の方が約50mVの電位低下が見られた。アノード電位の低下は、主にアノード酸化物皮膜の影響によるものと考えられたことから、皮膜が形成される初期の段階を調査したところ、Pb-Ag-Ca系の方が早く安定した皮膜が形成されると考えられた。特にCaPb_3相と思われる部分から形成される酸化物は、他の部分と比較して酸素の比率が高いことが見いだされた。さらに、酸化物皮膜の形成に影響する合金組織の違いについて調査したところ、Pb-0.5%Ag-0.6%Ca系でけCaPb_3相が見られ、Pb-1%Ag系及びPb-0.5%Ag-0.6%Ca系ともに粒界上にAg含有量の高い相が見られた。このAg含有量が高い相は、Pb-0.5%Ag-0.6%Ca系の方がPb-1%Ag系よりもAg含有量が高いことから、電位低下の一要因としてこの相の影響も考えられた。
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