2001 Fiscal Year Annual Research Report
飛灰中ダイオキシン類の熱分解技術としての密閉振動流動層の開発基礎研究
Project/Area Number |
13750695
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
出口 清一 名古屋大学, 工学研究科, 助手 (50283411)
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Keywords | 振動流動層 / 飛灰 / ダイオキシン / 熱分解処理 / 流動化 / 伝熱 |
Research Abstract |
燃焼飛灰には10〜100ng/gの高濃度ダイオキシンが含まれており、効率的分解技術の開発が望まれる。飛灰は熱伝導度の低い微粉体で、大量の飛灰処理には高い伝熱速度を得られる流動層が最適である。本申請者は、密閉装置の上下強制振動と装置内微粉末層の慣性運動で生じる装置内ガス流れを整流することで、系外からの通気操作なく微粉末を流動化する密閉振動流動層を考案した。本装置は、密閉系であるためダイオキシン類の熱分解温度低下に必要な無酸素雰囲気調整が容易で、飛灰微粉体散逸が無いことを特長とする。本研究では、考案した密閉振動流動層の飛灰中ダイオキシン類熱分解技術への実用の鍵である伝熱性能の実験的解明と最適化を研究目的としている。 本研究目的を達成するために、本年度は、既存アクリル製密閉振動流動層可視化モデルにより、飛灰模擬粉体として60ミクロンのガラスビーズを用い、低温レベルでの伝熱面・粉体層間伝熱速度を測定した。その結果、通常の通気流動層に匹敵する高い伝熱性能を確認できた。層内伝熱速度は気泡挙動の影響を大きく受け、最適化を目指し実験と理論の両面より検討している。 既存のアクリル製密閉振動流動層は、ガラスウールを挟んだ穴あき金属プレートを分散板として採用している。飛灰による分散板孔の閉塞のため、既存アクリル製密閉振動流動層での飛灰流動化はこれまで確認できていない。現在、本システムにて高い流動性を示したガラスビーズなど他粒子とのマルチソリッド流動化の可能性、さらには分散板をバブルキャップタイプとするなど、飛灰流動化を可能とする手法を模索している。これと並行して、500℃まで昇温可能な高温型密閉振動流動層を設計・試作した。 本システムは、飛灰中ダイオキシン分解のみならず基材粒子の触媒成分コーティングなどにも適用可能との示唆を受けており、今後、新たな分野への適用も念頭に検討を進める予定である。
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