2001 Fiscal Year Annual Research Report
紫外線遮蔽機能を有する複合粉体の設計と調製プロセス
Project/Area Number |
13750704
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Osaka Prefecture University |
Principal Investigator |
岩崎 智宏 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 助手 (50295721)
|
Keywords | 層状ポリケイ酸塩 / 水熱合成 / 板状結晶 / アイラアイト / 水ガラス / 水熱反応 / 粒子設計 / イオン交換 |
Research Abstract |
薄片状層状ポリケイ酸の合成方法は幾つか提案されているが,本研究では原料が安価なケイ酸ナトリウム水溶液(水ガラス)を水熱条件下で処理する合成方法を採用することとした。ポリケイ酸の合成では組成のモル比の設定が最重要であるため,Si02が23.3重量%,Na20が6.2重量%(NaOH/SiO2モル比=0.51/1.0)の水ガラス(4号ケイ酸ナトリウム)を使用し,これを容量200mlの撹拌機能付き密閉容器に所定量投入して100℃以上で水熱合成することによってポリケイ酸サトリウムを合成した。この溶液を水洗・分離・乾燥の過程を経ることによってポリケイ酸ナトリウムの微粉体を得た。ポリケイ酸ナトリウムの収率および物性を制御するために,反応期間,温度,撹拌速度などの諸条件を変更して実験を行った。生成物に対して走査型電子顕微鏡を用いた外観の観察やX線回折分析などを通して,操作条件による物性(化学組成,純度,密度,大きさ,厚さ等)および収率の変化を検討した。X線回折パターンの文献値との比較から,得られた生成物はアイラアイトであることを確認した。反応温度および溶液濃度は収率を増加させるための重要なパラメータであることが分かった。さらに,撹拌速度の増加とともに新たな核の生成が抑制され,粒径の大きな生成物が得られた。これらのことから,撹拌速度と溶液濃度が結晶の成長に著しく大きな影響を与えることを見いだし,粒子径の制御が可能であることを示した。
|