2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750718
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
多湖 輝興 九州大学, 大学院・工学研究院, 助手 (20304743)
|
Keywords | シリカ包接フェライト微粒子 / マイクロエマルション / マグネタイト / コバルトフェライト / 亜鉛フェライト / ナノスケール / シリカ表面修飾 |
Research Abstract |
磁性物質をシリカで被覆したナノスケールのシリカ包接磁性微粒子を調製し、シリカ包接磁性微粒子に酵素を固定化すれば反応後の酵素を磁力によって速やかに回収することができ連続操作が可能になると考えられる。さらに分子認識能を有するタンパク質を固定化すれば対象となる物質を磁力によって分離回収することが可能となると考えられる。そこで本研究では、磁性物質をシリカによって被覆したナノスケールの微粒子を調製し、酵素などのタンパク質を微粒子表面に固定化することによって、分子認識能を有するナノスケールの磁性材料を開発することを目的とする。本年度は、シリカ旬接フェライト磁性微粒子を調製し、その磁力特性の向上を試みた。 1.磁性物質のSiO_2による包接 界面活性剤/有機溶媒溶液に塩化鉄水溶液を滴下して油中水滴型マイクロエマルションを形成させ、この溶液中でマグネタイト微粒子を合成する。この粒子が分散した溶液に包接物質であるシリカの原料である金属アルコキシドを加え、その加水分解反応によってシリカを生成させる。マグネタイト微粒子を内包したシリカゲルを回収し、洗浄・空気焼成を施してシリカ包接マグネタイト微粒子を得る。その結果、マグネタイト粒子径約10nm、シリカ層厚さ15nmのシリカ包接マグネタイト微粒子が得られた。 2.磁気的特性の向上 磁力による回収作業を行うためには、より大きな磁化が必要である。磁性物質の磁化はその粒子径と化学組成に依存する。そこで、磁性物質の粒子径制御と、磁性粒子の複合化(マグネタイトへのCo、Znイオンの添加)による化学組成の制御を検討し、包接型フェライト系磁性材料の特性の向上を図った。磁性物質の粒子径制御としては、磁性粒子合成時の原料濃度、原料添加方法について検討したところ、Fe_3O_4粒子径を約9nm〜14nmの範囲で制御することに成功した。化学組成制御については、磁性粒子調製時に投入する原料金属塩のモル比と焼成温度を変化させて、化学的に複合化された磁性粒子(例えばCo_XFe_<3-X>O_4、X=0〜1)を合成した。その結果、Coを添加したCo_XFe_<3-X>O_4では、Co/Fe=0.3のとき磁力特性が最大値を示した。Znを添加した場合では、Zn/Fe=0.1のとき、磁力特性が最大値を示した。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 多湖輝興, 初田隆俊, 長瀬亮, 岸田昌浩, 若林勝彦: "シリカで包接されたコバルト修飾マグネタイトナノ微粒子の調製とその磁気特性"化学工学論文集. 27. 288-290 (2001)
-
[Publications] T.Hanaoka, H.Hayashi, T.Tago, M.Kishida, K.Wakabavashi: "In situ immobilization of ultrafine particles synthesized in a water/oil microemulsion"Journal of Colloid and Interface Science. 235. 235-240 (2001)
-
[Publications] T.Hanaoka, T.Tago, M.Kishida, K.Wakabayashi: "Size Control of Metastable ZnS Particles in w/o Microemulsion"Bulletin of the Chemical Society of Japan. 74. 1349-1354 (2001)
-
[Publications] T.Tago, Y.Shibata, T.Hatsuta, M.Kishida, S.Tashiro, K.Wakabavashi: "Synthesis of Silica-Coated Rhodium Nanoparticles in Reversed Micellar Solution"Journal of Materials Science, in press.