2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750723
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
白井 誠之 東北大学, 多元物質科学研究所, 助手 (70250850)
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Keywords | 黒鉛層間化合物 / 触媒 / ナノシート / 金属微粒子 / 白金 |
Research Abstract |
本年度は,黒鉛層間にナノサイズの厚みをもつ白金シートの調製を行った。 白金塩化白金(IV)と黒鉛の混合物を高温高圧(723K,0.3MPa)の塩素で処理することにより,塩化白金を黒鉛層間に導入した層間化合物を調製した。X線回折法により,塩化白金-黒鉛層間化合物は白金導入量に関係なくステージ3構造(黒鉛3層に対して塩化白金が1層挿入した構造)をもつことが分かった。塩化白金の導入量が少ない場合でも黒鉛層間で塩化白金分子が集まったドメインを形成していることをX線吸収微細構造法により明らかにした。 塩化白金-黒鉛層間化合物を水素で還元処理(573K)することで,黒鉛層間にナノサイズの厚みをもつ白金金属シート(厚み2-3nm,幅5-300nm)が調製できた。塩化白金は,黒鉛層の炭素原子の六角網目構造と強い相互作用を受けながら層間で金属へ還元凝集するため,シート内に六角形の穴や,120°に折れ曲がった縁を多数持つことを高圧透過型電子顕微鏡により明らかにした。白金ナノシートのサイズや特異的な構造は白金導入量に無関係であること,白金ナノシートは黒鉛層間で安定に存在するため,773Kで水素処理しても2次元構造は安定であることを明らかにした。 塩化白金-黒鉛層間化合物をエタノールを溶媒として水素化ホウ素ナトリウムで還元処理してもナノシートはできず,黒鉛表面上に数100Åの球状の白金粒子が形成された。液相還元法では塩化白金が黒鉛層間から溶出してしまうために,層間に金属白金を成長させることはできないことが分かった。
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