2002 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750723
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
白井 誠之 独立行政法人産業技術総合研究所, 超臨界流体研究センター, 主任研究員 (70250850)
|
Keywords | 金属ナノシート / 形状選択性 / バイメタル / 金属触媒 / 黒鉛層間化合物 / 微粒子 / 水素化反応 |
Research Abstract |
黒鉛層間金属ナノシート触媒の調製 白金塩化物を黒鉛層間に挿入し白金塩化物-黒鉛層間化合物(PtClx-GIC)を調製した.更にPtClx-GICを水素還元処理することで白金-黒鉛層間化合物(Pt-GIC)を調製した.透過型電子顕微鏡によりPt-GICにおいて白金集合体は厚み2〜3nmのシート状であること,またシートには120°で折れ曲がった縁や六角形の穴を多数持つことがわかった.塩化白金を黒鉛を混合し還元処理した場合では,黒鉛表面に球状の金属粒子が形成されるのみであった.Pt-GIC試料においてシート状の白金集合体ができるのは,塩化白金が黒鉛層間で上下からの相互作用を受けながら還元するためと考えられる Pt-GICに塩化ニッケルを挿入し,水素還元処理することで,白金ナノシートの縁をニッケルで被ったバイメタルシートの調製を試みた.X線吸収微細構造,X線光電子分光法,分析電子顕微鏡などによる構造解析の結果,白金ナノシートとニッケル金属微粒子は分離して存在することがわかった. 黒鉛層間金属ナノシートの触媒作用 黒鉛層間に挿入された白金ナノシートを触媒としてフェニルアセチレンの水素化反応を行うと通常の炭素担持白金触媒に比較して倍のエチルベンゼン選択性を示した.また,アダマンチルアセチレンの水素化反応においても高いアダマンチルエチレン選択性を示した.黒鉛層間に白金微粒子が挟まれている構造により反応基質が黒鉛層間に十分に挿入できず,炭素間三重結合の白金集合体への吸着が規制されることにより反応の選択性(形状選択性)が発現したものと考えている.
|