2001 Fiscal Year Annual Research Report
組換えDNA技術を用いたナイシン生産効率向上のための代謝改変
Project/Area Number |
13750737
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
永久 圭介 大阪大学, 大学院・工学研究科, 助手 (00324806)
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Keywords | ナイシン / Lactococcus lactis / 代謝改変 / 乳酸 / 乳酸菌発現ベクター |
Research Abstract |
乳酸菌Lactococcus lactisは抗菌ペプチドであるナイシンを生産するが、その生産プロセスにおいて、同時に生産される乳酸の蓄積によりナイシンの生産効率が減少する。そこで、乳酸生産に向かう代謝経路を破壊する、乳酸生産へ向かう代謝と競合する代謝経路を増強する、乳酸を別の物質へと代謝させるような経路を設けるといった代謝経路改変を行うことで乳酸が蓄積しないようにし、ナイシン生産効率の向上を図ることを目的とした。 代謝経路改変を行えば、細胞内の代謝物質の流れが変わりそれが原因で野生株に比べてある代謝物質が過剰に生産されることにより乳酸菌の生育阻害またはナイシン生産阻害を引き起こす可能性が考えられる。そこで、代謝物質がどれくらい過剰になるとナイシン生産阻害を起こすのかを調べるため、過剰生産されることが予測される代謝物質(エタノール、アラニン等)の濃度を何段階か設定して培養を行い、菌の増殖、pH、代謝産物の量およびナイシンの生産量を測定した。一方、代謝改変を行うためには乳酸菌内で特定遺伝子を発現する必要があるため、発現ベクターの構築を試みた。強力に発現することが知られているP32プロモーターとターミネイターをそれぞれPCRにより増幅し、Enterococcus faecium N15株由来プラスミドとpUC19とを結合させた乳酸菌-大腸菌シャトルベクターに挿入することで発現ベクターの構築を行った。
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