2001 Fiscal Year Annual Research Report
X線光電子回折によるマイクロ領域のリアルタイム表面構造評価法の開発
Project/Area Number |
13750748
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
石井 秀司 東京大学, 生産技術研究所, 助手 (30251466)
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Keywords | 表面 / 界面 / 薄膜構造 / 光電子解析 / 強力X線 / マルチエネルギー測定 / マイクロX線光電子回折 / リアルタイム測定 |
Research Abstract |
マイクロメートル領域(10-100μm)でのリアルタイムのX線光電子回折測定を達成するためには、強力なX線光源と明るい電子アナライザーをこの領域サイズに対していかに効率よく共同的に使えるかがポイントになる。このような観点から本年度は光源・アナライザーなどの装置面での条件の最適化を行った。 光源ではマルチエネルギー強力X線光源の光源条件の最適条件を実験的に導き出した。その結果、Al-K, Cr-L, Cu-Kの各光源で4.5×10^11cps, 7.8×10^10cps, 7.5×10^10cpsと1mm^2辺り10^11〜10^10cpsの第2世代の放射光並の光強度が得られた。またエネルギー分解能についてもAgのXPS測定より化学状態分析をするのに十分であることが確認した。さらに試料のリアルタイム測定のために現行の試料マニピュレータを、室温から1300Kまで安定に加熱しつつ光電子回折用に2次元角度スキャンが可能なものに改造した。 これらの装置・機構を使って、単原子および2原子層薄膜系であるh-BN/Ni(111)系およびZrO/W(100)系などについて1mm^2領域の角度分解能2度での光電子回折測定を行った。その結果、従来型の角度分解方式では装置関数によりマイクロ領域では十分な角度分解測定が期待できないことがわかった。このため、回折面アパチャーを用いる新方式でも004-0.6度の高角度分解能測定に加えて、2度の角度分解能測定ができるようにレンズ系の改良を行っている。また光源自身の更なる高強度化の検討を行った。これらの実験結果および検討結果をもとに100μm領域のリアルタイムXPED測定を目標に装置検討を行っている。
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