2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750753
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
池田 茂 北海道大学, 触媒化学研究センター, 助手 (40312417)
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Keywords | 酸化チタン / 光触媒反応 / 異相界面 / 親-疎水性表面 / 部分修飾 / 長鎖アルキル基 / 選択性 / 異方性 |
Research Abstract |
酸化チタン(TiO_2)などの半導体粉末を用いた光触媒反応は、温和な温度・圧力条件でも反応を行うことができ、光エネルギーを利用することで熱的には進行しがたい反応を誘起させることも可能であることから、新規な物質変換反応の開発が期待できる。実際の反応では、有機化合物を溶かした水やアセトニトリルなどの溶媒に、光触媒を懸濁させて光を照射するのが通例であるが、原料、反応生成物や溶媒の光吸収が光触媒のそれと重なると、反応速度が減少するうえ、有機化合物の直接光反応が避けられないため、利用できる反応には制約があった。われわれは、相溶性のない水と有機化合物の界面に光触媒が配置できれば、光触媒の効率のよい光吸収と有機化合物の直接光反応の抑制を両立させることができると考えた。ここでは、粉末表面の一部にアルキルシリル基を導入して、水-有機溶媒二相系の界面に分布するTiO_2を調製し、これを用いた新しい反応方法、「界面光触媒反応」を提案する。 Merck社製のTiO_2粉末に少量の水を加え、粉末を凝集させた後、これをオクタデシルトリクロロシランと反応させて表面の一部をオクタデシルシリル基で修飾したTiO_2(w/o-TiO_2)を得た。また、前段で水を加えずにODSと反応させて表面全体を修飾したTiO_2(o-TiO_2)も調製した。TiO_2およびo-TiO_2を、水/ベンゼンあるいはトルエンの異相系に分散させると、親水的な前者は水中に分散し、後者は表面がオクタデシルシリル基で疎水化された結果、有機相にのみ分散した。一方、w/o-TiO_2を異相系に添加すると、二相の中間(異相界面)にその多くが存在した。この粉末は親-疎水性の両表面を有するため各表面をそれぞれ水、有機相に向けて異相界面に集合したと考えた。
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Research Products
(1 results)