2002 Fiscal Year Annual Research Report
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13750761
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
功刀 義人 広島大学, 総合科学部, 助手 (90243518)
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Keywords | FET / キャリア移動度 / 有機半導体 / 電気化学 |
Research Abstract |
有機半導体をデバイスとして使用する場合、その膜内のキャリア移動度はデバイスの応答速度を決定付ける重要な因子となる。本研究課題では、高移動度もつ有機半導体の分子設計指針を得ることを目的に、各種有機半導体薄膜のキャリア移動度をFET法,電気化学的手法などを用いて測定した。FET法では未ドープのサンプルを、電気化学法ではドープ率を制御したサンプルを対象に移動度と分子構造、発生キャリア種と移動度の関係を調査した。 (1)FET法による移動度の評価 本年度はオリゴチオフェン系、ナフトチオフェン系に加えセレノフェン系、n型有機半導体について、蒸着膜、スピンコート膜のX線回折,AFM表面観察を行い、分子構造,膜の作製条件の変化に伴い、膜の結晶構造,微結晶の会合状態,表面状態などがどのように変化するかを調査した。主なキャリアはホール(n型についてはエレクトロン)で分子設計により、ほぼ単結晶膜の作製に成功し、低分子膜では配向分子と基板との角度、微結晶のグレインサイズなどが膜内のキャリア移動度に敏感に反映されることが確認された。また、膜の配向を制御した、オリゴセレノフェン膜でホールの移動度が0.03cm^2V^<-1>s^<-1>と極めて高い値を示すセレノフェン系有機薄膜の作製に成功した。 (2)キャリアの同定と電気化学法による移動度の評価 主にポリ・オリゴチオフェン系の高分子を対象にドープ率(酸化状態)を制御した膜で、in-situ可視-近赤外分光測定、ならびにin-situ ESR測定を行い、発生キャリア種の同定を行った。酸化過程でキャリア種は著しく変化し、移動度も5桁以上の変化を観測した。新キャリア種の発見とともに、ドープ過程でのキャリア移動過程の機構解明に成功した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Y.KUNUGI: "Organic Field-Effect Transistors Using Di(2-thienyl) naphtodithiophenes as Active Layers"Chemistry Letters. 958-959 (2002)
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[Publications] J.OHSHITA: "Preparation of 4, 4-Diary1-2-(tricyanoetheny1)dithenosiloles and Vapor-chromic Behavior of the Film"Organic Letters. 4. 1891-1894 (2002)
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[Publications] Y.KUNUGI: "Organic Field-Effect Transistors Using Oligoselenophene as Active Layers"Chemistry of Materials. 15. 6-7 (2003)
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[Publications] J.OHSHITA: "Synthesis of Organosilanylene-pentathienylene Alternating Polymers and Their Application to the Hole-transporting Materials in Double-layer Electroluminescent Devices"Journal of Organometallic Chemistry. (印刷中). (2003)