2002 Fiscal Year Annual Research Report
タンパク質ハイブリッド固定化電極を利用した新しいセンサー技術の開発
Project/Area Number |
13750767
|
Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
来栖 史代 鹿児島大学, 工学部, 助手 (40325767)
|
Keywords | チトクロムc / 高分子電解質 / 交互吸着法 / 積層 / 弱電解質 / 共有結合 / 電気化学 / バイオセンサー |
Research Abstract |
マルチバイオセンサーや非水溶媒中で機能する新しいバイオセンサーの設計の基礎知見となり得る、タンパク質/高分子電解質積層電極の作成条件について検討を行った。積層電極は簡便、かつナノメートルオーダーでの膜厚の制御が可能な交互吸着法を用いて作成した。これまでに積層が困難であると言われていたチトクロムc(cyt.c)を用いて検討を行い、交互吸着法の汎用性の拡大を目指した。 まず分子量分布の狭い高分子電解質を用いて検討を行った結果、cyt.cの積層は実現できなかったものの、タンパク質の積層に最適な高分子電解質の分子量が存在することを初めて明らかにした。またタンパク質の積層に汎用されている強電解質の高分子電解質を用いて静電相互作用を形成させた場合には、cyt.cとの相互作用が強すぎるためにcyt.cが脱離してしまい、積層は困難であった。そこで、弱電解質の高分子電解質を用い、さらにはcyt.cと共有結合を形成させることで、cyt.cの積層の可能性を見出した。 以上の結果から、高分子電解質の分子量、及び相互作用の様式をタンパク質に応じて適切に選択することで、様々な種類のタンパク質積層電極の作成が可能であり、本研究で得られた知見は新しいタンパク質を基にしたセンサーの構築につながるものと考えられる。 またバイオセンサーの構築に必要な基礎知見を得ることを目的として、高分子薄膜で被覆した電極のイオン透過性についても電気化学的な手法を用いて検討を行った。その結果、薄膜調整に用いる高分子の電荷密度及び膨潤度がイオン透過特性に大きく影響を及ぼすことを明らかにした。このことより、高分子の電荷密度を変化させることで、目的に応じた膨潤度及び透過性を有する薄膜の調整が可能であることが示唆された。
|
Research Products
(1 results)
-
[Publications] Fumiyo Kurusu, Hiroyuki Ohno, Mitsuhiro Kaneko, Yukio Nagasaki, Kazunori Kataoka: "Functionalization of Gold Electrode Surface with Heterobifunctional Poly(ethylene oxide)s having both Mercapto and Aldehyde Groups"Polymers for Advanced Technologies. 14. 27-34 (2003)