2002 Fiscal Year Annual Research Report
理想配列メタルホールメンブレンの作製と固液界面センシングへの応用
Project/Area Number |
13750768
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
西尾 和之 東京都立大学, 工学研究科, 助手 (00315756)
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Keywords | ホールアレー / 光学特性 / 導波管 / 屈折率 |
Research Abstract |
理想細孔配列を有する陽極酸化ポーラスアルミナを出発材料とする2段階の鋳型プロセスにより,細孔が500nmの間隔で三角格子状に配列したNiホールメンブレンを作製した.この光透過特性は,細孔周期近くの550nmにピークを有するバンドパス特性を示した.細孔径の異なる試料を作製し光透過特性を比較したところ,透過スペクトルの長波長側の遮断波長が細孔径に比例することがわかった.これは,個々の細孔が導波管(電磁波を誘導する導体からなる管であり,細孔径に比例し長波長の電磁波を遮断する)として機能することを示している.導波管は高周波領域で使用されているが,本研究で可視光領域に対応した導波管の作製が確認された.[K.Nishio et al., Jpn.J.Appl.Phys., 42,L83(2003)] Niホールメンブレンに純水を満たし,細孔内の媒質の屈折率を変えて光透過特性を測定すると,大気中で得られた透過スペクトルを長波長側に拡張したスペクトルが得られた.更に,純水に硫酸ナトリウムを加えることにより屈折率を細かく変えて透過スペクトルを測定したところ,屈折率の増加に従い,透過スペクトルが直線的に長波長側にシフトすることがわかった.細孔を満たした媒質の屈折率と透過スペクトルのピーク波長から検量線を作成したところ,波長1nmのピークシフトで検出できる屈折率の変化量は2.4×10^<-3>であった. メタルホールメンブレンをAu,Agで作製し光透過特性を比較したところ,それぞれの誘電率に依存した表面プラズモン共鳴によりピーク位置及び透過率の変化が生じたが,導波管特性は金属の種類(誘電率)に依存せず,細孔サイズにより決定されることが確認された.これらのメタルホールアレーの導波管特性を利用することにより,細孔での電気化学反応とその場で生じた屈折率変化の検出を,目的に対応した金属で実施することが期待される.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kazuyuki Nishio, Masashi Nakao, Atsushi Yokoo, Hideki Masuda: "Ideally Ordered Metal Hole Arrays with High Aspect Ratios Prepared from Anodic Porous Alumina"Japanese Journal of Applied Physics. 42. L83 (2003)
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[Publications] Hideki Masuda, Kenji Kanezawa, Kazuyuki Nishio: "Fabrication of ideally ordered nanohole arrays in anodic porous alumina based on nanoindentation using scanning probe microscope"Chem.Lett.. 2002. 1218 (2002)
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[Publications] Y.Iwai, D.Murakoshi, Y.Kanai, H.Oyama, K.Ando, H.Masuda, K.Nishio, M.Nakao, T.Tamamura, K.Komaki, Y.Yamazaki: "High-resolution soft X-ray spectroscopy of 2.3 keV/u N^<7+> ions through a microcapillary target"Nuclear Instruments and Methods in Physics Research B. 193. 504 (2002)