2001 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
13750774
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
安部 武志 京都大学, 工学研究科, 助手 (80291988)
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Keywords | マグネシウム / 炭素材料 / 挿入脱離 / 黒鉛層間化合物 |
Research Abstract |
近年、リチウム二次電池は小型携帯用機器電源として使用されており、最近ではハイブリッド用自動車用電源としても期待されている。環境負荷低減のためには、ハイブリッド用自動車が世界中で量産されることが望まれる。リチウムは量産という観点で考慮すると資源的に問題があり、代替材料が望まれる。そこで、本研究では資源的に豊富なマグネシウムを用いた二次電池を検討した。特に負極側について詳細に調べるため、炭素材料へのマグネシウムの挿入脱離反応を調べた。 塩化マグネシウムをジメチルスルホキシドに溶解させ、電解液を調製し、マグネシウムイオンの黒鉛への挿入脱離反応をサイクリックボルタンメトリー、X線回折法により調べたところ、リチウム金属基準で約1.5V近傍のところから還元ピーク、また還元ピークに対応する酸化ピークも認められた。そこで、電位を1Vに24h保持し、得られた試料のX線回折パターンを得たところ、マグネシウムイオンとジメチルスルホキシドが黒鉛に共挿入した三元系黒鉛層間化合物が生成することが分かった。電位を更に卑にしても溶媒の分解は認められず、三元系黒鉛層間化合物のみ得られた。そこで、炭素材料を結晶性の低いものにして、同様の実験を行ったところ、炭素材料へのマグネシウムイオンの挿入は認められなかった。すなわち、本研究の系ではマグネシウムイオンのみを炭素材料へ挿入させることはできないことが分かった。現在、電解液を変え、マグネシウムイオンのみの炭素材料への挿入脱離反応について検証中である。
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