2001 Fiscal Year Annual Research Report
液晶性架橋点を有するハイドロゲルの構造転移とケモメカニクス
Project/Area Number |
13750822
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Research Category |
Grant-in-Aid for Encouragement of Young Scientists (A)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
金子 達雄 鹿児島大学, 工学部, 助手 (20292047)
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Keywords | 液晶 / ハイドロゲル / 分子配向 / 水素結合 / ヘキサティック配列 / 層構造 / 構造転移 / 螺旋構造 |
Research Abstract |
親水性モノマーであるアクリル酸と種々のメソゲン(シアノビフェニル基、カルボキシビフェニル基、コレステレート基)を持つモノマーの共重合を行い、メソゲンの周りに水を存在させる試みを行った。その結果、アクリル酸の組成が増えるに従い液晶構造秩序や等方化温度が増加する現象が見られた。アクリル酸の水素結合が液晶構造の安定化に寄与しているものと考えている。偏光顕微鏡観察・X線回折法・DSCによる構造解析の結果を相図にまとめたところ、いずれの共重合体も側鎖が層状にならぶスメクチック構造を形成し、アクリル酸が80%程度導入されても液晶が安定に示されることが分かった。しかも、液晶紡糸により容易に分子配向することも分かった。 これらの乾燥試料を水に浸漬したところ次第に膨潤し、化学架橋を行うことなく自発的にゲル化が行われた。これらのハイドロゲルの構造をX線回折法などで調べた結果、ゲル状態においても液晶構造が形成されていることが分かった。また、シアノビフェニルメソゲンを持つハイドロゲル中においては少量の水の存在がサーモトロピック液晶相の構造転移を誘起[側鎖が主鎖に対して垂直に配向しながら層が形成されている以外に側鎖の位置相関は無い状態(SmA構造)から側鎖が主鎖に対して傾いて配向しながら層が形成され側鎖がヘキサティックに配列している状態(SmI構造)への転移]し構造秩序を増加させることが分かった。さらに、カルボキシビフェニルメソゲンを持つハイドロゲルではメソゲン組成の変化により層構造が変化し、コレステレートメソゲンを持つハイドロゲルでは膨潤度の増加に伴い、円二色性が誘起され螺旋構造が形成されることも分かった。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山岡寛二: "Liquid Crystalline Gels 3. Role of Hydrogen Bonding in the Formation and Stabilization of Mesophase Structures"Macromolecules. 34・5. 1470-1476 (2001)
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[Publications] 宮崎崇: "Effects of Carboxyls Attached at Alkyl Side Chain Ends on the Lamellar Structure of the Hydrogels"Macromolecules. 34・17. 6024-6028 (2001)
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[Publications] M.Q.Chen: "Preparation of "Confetti" Particles by Dispersion Copolymerization of Acrylonitrile/Styrene with Poly(ethylene glycol)Macromonomer"Chem.Lett.. 12. 1306-1307 (2002)
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[Publications] 宮崎崇: "Water-Induced Crystallization of Hydrogels"Lamgmuir. 18・4. 965-967 (2002)
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[Publications] L.Chen: "Crystalline Structure and Thermal Behavior of Water-Soluble Copolymers with Pendant Terthiophenes"Macromol.Chem.Phys. (発表予定). (2002)
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[Publications] 勝山吉徳: "Inhibitory Effects of Hydrogels on the Adhesion, Germination, and Development of Laminaria Angustata Originated Zoospores"Macromol.Biosci.. (発表予定).